ジック 松下実 代表取締役社長
2020年12月期の売り上げはほぼ横ばいで終った。コロナの影響でFAとPAが苦戦したが、物流関連のILと交通・輸送関連のTLがカバーした。ILはECと宅配事業者の設備投資が旺盛で、アパレル業界も自動倉庫のバーコード読み取りシステムが大きく伸びた。TLは建機や産業車両の自動運転、踏切の障害物検知のためのLiDARがビジネスになってきた。またAGVや無人フォークリフト向けのLiDARと自己位置推定のシステムに力を入れ、複数社で評価に入っている。
21年12月期は5-10%の売上増を見込んでいるが、当面売り上げ100億円を狙い、5年以内には120億円を目指したい。製品・システム・サービスの3本柱に加え、日本ではソフトウェアを4本目の柱に育てている。365日サポートサービスやソフトを加えたトータルソリューションとして、付加価値をお客様に提供していく。
今年は、IL向けにハイエンドのバーコードリーダー第4世代の「ICR890」をリリースする。ディープラーニングのソフトウェアを搭載でき、1分間に270メートルのコンベアスピードに対応している。客先の評価は上々で、全国展開を開始する。またAGV用自己位置推定のソフトウエア開発を強化し、今後は各種LiDARに対応していく予定だ。
FA向けは日本で開発したロボットガイダンス用3Dビジョンシステム「PLP1000」が自動車と電子部品メーカーなどに好評、昨秋に一般市場向けに販売を開始した。また、低背で誤検知防止機能を搭載したセーフティレーザスキャナが、AGVで高評価を得ており期待が大きい。PAでは船舶用の排ガス分析装置をプラント向けに最適化した製品を出す。今年はWEB展示会を行う予定で、デモを通じて紹介する予定だ。もの売りからソリューションを強化し、お客様への価値を高める取り組みを進める。