リタール 新岡卓 代表取締役
昨年は新型コロナウイルスの影響で、製造業のみならず多くの産業が打撃を受ける事態となったが、その一方で、在宅勤務などを含む働き方改革が大きく促進した1年だった。これは製造業においても同様で、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の意識と、従来のやり方に留まることへの危機感が業界内で広がり、言行一致への変化が起きているのを各所で感じることができた。紙ベースのものをなくす、人的作業の更なる自動化など、企業の組織プロセス改革に伴い、ものづくりのプロセスも変化をする転機だと感じている。
当社と姉妹会社のEPLANは、制御盤製造のDXを推進するソリューション:バリューチェーンを提供しており、設計→調達→製造→納品後のサービスの工程でも利活用できるデータを使い、全ての工程を効率化させるお手伝いをしている。
リタールは、盤製造作業の自動化を実現できる機械製品も多く開発しており、昨年は全自動電線加工機「WTワイヤターミナル」の詳細を日本国内でお披露目した。手作業で時間をかけて行っていた電線加工作業や配線作業を「自動化・見える化」することで盤製造期間の大幅な短縮と手戻りを減らすこのソリューションは、多くの反響をいただき、盤製造業者の自動化変革への高い意識が感じられた。
当社の本国、ドイツを始めとした欧州ではすでに、製造工程の全体最適・自動化が実用化されているが、日本でもようやくモデルケースを実現するフェーズに入ったと確信している。
また、今年は屋外向けの盤筐体についても販促に力を入れていく予定である。コスト競争力の高いインド工場を活用し、手薄だった屋外用途の分野の需要を開拓、展開していく計画だ。