ECADソリューションズ 田村政一 代表取締役社長
2021年3月期の業績は、利益は前年度並み、売り上げは数%減を見込んでいる。コロナの影響で、出展予定の展示会が全て中止となり、営業のタッチポイントが減ってしまったのが大きな要因。主戦場である盤の設計・製造では、ITを使った生産革命へのニーズが高まっている。生産革命を実現するためには仕組みや環境づくりを行う必要があるが、設計者は忙しくてその余裕はなく、人材の採用も難しい。いくら良いツールがあっても、環境を構築し、更に継続して運用するには、高いハードルが存在する。
それを解決するサービスとして提供している「ECAD Library」は、現在170万点を超える各メーカーの部品データをクラウド経由で利用できるサービス。設計者は部品マスタを予め準備しなくても、図面の完成とともに部品表を作成することができる。設計データを次工程で活用するために設計段階で情報を作りこむことが非常に重要であり、その作業を支援するサービスとして有効だ。
昨年6月に盤製造支援システム「WIRE CAM DX」を発売、既に10社ほどで稼働中だ。ECADだけではなく、他社製CADやPDFの図面データをもとに配線測長して電線加工データを出力し、組立作業や配線作業までガイドする。図面が読めない非技術者でも盤製造ができるため、導入後の反応は上々だ。
CADを用いて設計業務をある程度効率化されている顧客は多いが、製造現場はまだまだITによる改革の余地が大きい。盤設計・製造のIT化に向けた改革を実現するツールとして21年で50社の導入を目指す。
また19年から提供を開始したECADと日東工業のキャビスタとの連携も、ユーザーにもっと利便性を感じてもらえるように強化していく。
当社としては日本の盤業界と製造プロセスを一番理解している企業として、その強みを活かしていきたい。