マコメ研究所 沖村文彦 代表取締役社長
第50期にあたる2020年11月期は、新型コロナウイルスの感染拡大で思い通りの活動ができず減収減益で終わった。反面、従業員やその家族に感染者が出なかった事は経営者として喜ばしい。テレワークも営業部や開発部などで根付き、新たな就労形態として活用できる事が証明された点は大きな収穫だった。
顧客への定期訪問や展示会を通じての新規獲得も、コロナで訪問制限や自粛、展示会の中止など国内の営業活動がままならない状態が続き、昨年好調の海外売り上げも半減した。
この中で、無人搬送車(AGV)用誘導センサー、磁気センサー・磁気近接スイッチ、磁気スケールなどの主力製品が売り上げを下支えし、モータースポーツや船舶向け各種センサーも昨年同様、貢献した。
新型コロナの終息が見えないが、今期(51期)は前期並みの業績を目指す。コロナ対策を十分に講じ、安心して働ける職場環境の構築を優先する。今期は半導体関連や自動車生産関連、物流業界に加え、持ち直しを感じる工作機械も期待している。
DXやITなどの動向に対しては、背伸びせず、ローテクでも顧客の要望にできる限りお応えする信念で取り組む。SDGsについても、当社でできる事を模索していきたい。
さらに無人搬送車用センサーの高度化(CAN、シリアル通信等)やIO-Link対応センサーの製品化を継続する。リニア変位センサー(MPシリーズ)も様々な分野で好評なため、更なる進化・向上を目指す。検出素子のチップ化や、基幹システムの次のステップ(受注・販売管理等)への稼働をスタートさせる。
21年10月で創業50年になる。コロナと共存しながらの身の丈に合った経営と社員を大切にする誇れる会社作りを心掛ける。創業者が求め根付かせた社風をこの先も守りながら、企業発展を推し進めていきたい。