■急所16
清掃・清潔の基準
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お客さまを、自信をもってお迎えできるレベルを、
清掃が行き届いた清潔な状態という。
清掃や清潔のレベルは会社によってさまざまです。帰り間際の掃き掃除くらいしかしない工場もあれば、全てのモノをピカピカに磨き上げて鏡のような状態を保つようにしている工場もあります。もちろん業種によっても清掃の必要度合いは大きく違います。生ものを扱う食品メーカーと機械加工メーカーとでは掃除の仕方に大きな違いがあるのは当然です。
その結果、清掃・清潔の基準をどこに置けばいいのかで悩んでいる工場は結構多いようです。
しかし実はこの基準は全く難しくなく、とても簡単なのです。自分たちのお客さまやこれからお客さまになっていただきたい方々を工場にお招きする時に、自信をもってお迎えできるレベルが清掃の行き届いた清潔な工場であり、その状態が基準値です。
お客さまが工場を見て、「汚いな…」と思ったら受注は難しくなりますし、買いたたかれるかもしれません。そうならないように清掃が行き届いた清潔な状態にすることが必要です。
私はカイゼンが目指す姿を表すときに「工場のショールーム化」という言葉をよく使います。お客さまが工場に入るや否や、その工場で作られる製品の品質が良くて、納期が守れて、値段もリーゾナブルである理由が、いちいち説明されないでも見れば分かる状態を作ることです。
ショールームというとその会社が作っている商品を展示する部屋というのが普通かもしれませんが、私が言うショールームはそれとは別の意味です。私のショールームは工場そのものが商品であり、そこに入ると、その会社の技術力や管理力、そして働いている人たちの人間力がアピールされている場であるということです。
そういう工場にしてください。これからの時代は会社で働く人たち全員で自社の商品を売る体制が求められます。営業が商品を売るのに苦労していたら、工場にお客さまを連れてきてもらって、工場という商品を見たお客さまを感動させて、注文を下さる手助けをするのです。そしてその第一歩が清掃・清潔だと思うのです。
日本カイゼンプロジェクト 会長 柿内幸夫
1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011〜2016)、静岡大学客員教授 著書「カイゼン4.0 – スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など
一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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https://www.kaizenproject.jp/