高木商会 中山広幸 代表取締役社長
2021年3月期の売り上げは厳しい状況で推移しており、前年同期比マイナスになりそうだ。それでも下期だけを見ると102%と前年を上回っており、また受注残も30%ほど増加して受注先行となっていることから、残り3カ月の1-3月がどうなるかによって変わってくる。厳しい中にあって、半導体関連の回復が追い風で、物流関連も絶好調だ。
こうした中で、19年から取り組んできた営業のデジタル化が、昨年の新型コロナ禍の中で大きなツールとして貢献してくれた。はじめはセキュリティ性などへの警戒感からお客様のアレルギーが強かった動画ツールを活用したオンライン営業やリモート営業も、お客様のリモートワークの増加とともに時間の節約や速いレスポンスなどの効果が評価され、売り上げにつながっている。昨年7月からはWebセミナーも30種類ほど開催しており、約2000人が参加している。今後も新製品紹介や技術セミナーを積極的に開催し、見逃した方へは、オンデマンド配信による再放送で参加を促していく。
来期は売り上げを19年度まで戻すことを目標にしていく。半導体・液晶、医療機器、鉄道/交通関係、社会インフラ、物流をはじめ、回復の兆しが見えてきた工作機械も期待している。さらに、5G、クラウドシステム、エッジコンピュータ、ゲートウェイ、IoT向け接続機器のコネクタや端子台、無線機器にも注力していく。
業務のデジタル化に向けてRPA(ロボットによる業務の自動化)の活用も一層進め、浮いた時間を顧客サービスに充て顧客満足向上につなげていく。市場環境が大きく変化する中で、会社も変化しなければ衰退と同じである。RPAを活用した取り組みやモバイルワークの推進で、ニューノーマル社会に対応した商社活動を追求していく。