三菱電機は、東京工業大学との共同研究により、金属表面の微小変形から内部の損傷を推定するAIを開発した。
電力機器の保守点検作業は、専門知識や熟練技能を持った作業者が、超音波探傷検査によって部品内部の亀裂の有無や位置、大きさを確認しているが、近年、熟練作業者の不足により、検査技術の汎用化が求められている。
今回開発したAIは、電力機器の使用開始時と点検時の金属表面の微小変形から、内部の亀裂の位置と大きさを推定する独自AIで、超音波探傷検査と同等の10%以内の誤差で、亀裂の位置と大きさを推定することができる。表面の撮影だけで検査できるため、超音波探傷検査と比べ電力機器の検査時間を約6分の1に短縮が可能。熟練作業者不足の解消や、今後は、発電機用点検ロボットなどに同技術を実装することで、保守コストの抑制や信頼性の確保、稼働率の向上に貢献するとしている。
2023年以降、電力機器に対する予防保全の提案に取り入れる予定。