富士電機は、パワー半導体の新製品として、最新の第7世代パワー半導体素子を搭載し、損失を大幅に低減させた「XシリーズIGBT-IPM」を発売した。自動化が進む日本国内・中国などを中心に、グローバルに展開していく。
IGBT-IPMは、過電流や過熱などによる故障を防ぐ自己保護機能を搭載したIGBTモジュールで、高い信頼性が求められるNC工作機械や産業用ロボットなどに広く採用されている。
新製品は、素子の厚みを薄くし表面構造を微細化することで、業界最高クラスの低損失性能を実現した最新の第7世代IGBT素子を搭載。高温条件下でスイッチング速度が低下しないよう制御し、電力損失を低減する。従来品と比べてインバータ動作時の電力損失が約10%低減し、電力損失によって発生する熱を抑制したことで、設置面積が従来品比で最大54%の小型化を実現。
また、IGBT素子の温度が175℃を上回ると、設備側の制御装置にアラーム信号を出力、スイッチング動作を停止し、IGBT-IPMの故障を未然に防ぐことが可能。さらに、業界初となる「温度ワーニング出力機能」を搭載しており、素子の温度が150℃を上回るとワーニング信号を出し、過熱保護が動作する175℃に到達するまでの間はスイッチング動作が可能なため、設備側の制御装置は任意のタイミングで生産設備を停止させ、メンテナンスを行うことが可能となる。