オムロンは2020年度第3四半期決算で、業績は急激な回復を遂げ、特に制御機器事業(IAB)がそれを牽引していると発表した。中国を筆頭に世界が回復基調にあることに加え、同社が進めてきたiAutomationと新製品の統合コントローラが高く評価を受けていると明かした。
iAutomationは、インテグレーテッド(制御の進化)、インテリジェント(知能化)、インタラクティブ(人と機械の調和)の3つのiを統合した新しいオートメーションの概念。同社のセンサ、コントローラ、モーション、ロボット、セーフティの機器製品群と、それを制御するソフトウエアを組み合わせて実現するもので、すでに巻線制御、ねじ締め制御など170種類以上の具体的なアプリケーションを開発し、ソリューションとして提供されている。設計者はそれを装置に組み込むだけで質の高い制御を簡単で手早く実現できる。アプリケーションの数・種類は年々増加しており、世界37拠点1000人のSEで開発を進めているという。
iAutomationを進化するものとして、昨年、センサやモーション、ロボットなどすべてを1つのコントローラでまとめて制御できる「統合コントローラ」を発売。複数台に分かれていたコントローラを1台で統合制御できるようにしたことで、設計の手間が減って立ち上げが早くなり、製造でも機器間の通信にかかるロスがなくなって高速化・高精度化を実現。さらに保全やメンテナンスについても、装置全体の見える化とリモートメンテナンスがしやすくなり、効率化を実現している。
統合コントローラによって従来から進んでいたデジタル化やスマート化需要を捉えたことに加え、コロナ禍での設計・製造・保守の業務見直しのニーズもくみ取り、iAutomationの評価は上々で、来期はこれを強みとして進めていくとしている。