三菱電機は、自律走行ロボットとしてさまざまな用途に対応可能な脱着型カート方式による「多用途搬送サービスロボットシステム」を開発した。2021年度以降の製品化を目指す。
新サービスロボットは、センシングや管制システムによる安全な自律走行に加え、エレベーター・入退室管理システムなどの施設内設備と連携することで、施設内の自律的な縦横移動が可能になる。今後、病院や商業施設などにおける実証と実運用に向けた開発を進め、さらに、屋外での利用など施設・用途を拡張した製品の開発も進める。
カートは搬送物に応じて設計変更が可能で、据え置き利用やロボットを呼び出す前の収納作業が可能。また、自律走行ロボットに搭載したLiDARや3Dカメラなどの各種センサが周囲の状況を認識し、人や障害物などを自動で回避する。加えて、管制システムが走行指示や運行管理などを自動で行うことで、ロボットの最適な配車やロボット同士のすれ違いなど安全走行が可能。しかも、管制システムが自律走行ロボットに搭載しているディスプレイ、スピーカー、ライティングなどのHMI機器を制御し、周囲の人への注意喚起を行うことで安全な自律走行を行う。
従来の搬送ロボットは走行部と荷台部が一体化されており、ロボットが来るまで荷物を荷台に積みこむことができず、また、種類の異なる荷物ごとに対応した荷台部を持つロボットが必要になる。今回、カート装着・非装着の各状態に応じた自律走行ロボットのセンシング制御を行うことで、形状やサイズが異なる多様なカートとロボットとの組み合わせが可能な、脱着型カート方式を実現。種類の異なる荷物を搬送やカート単体でも利用可能な設計にしたことで、ロボットを呼び出す前に収納作業が行えるなどの実用性を兼ね備えたことで、搬送作業の省力化に貢献する。