【Pegasystems寄稿】2021年ローコードに関する予測トップ5

最高技術責任者 Don Schuerman

 

2020年は他に類を見ない一年でした。あらゆる企業・組織は、競争力を維持するため、迅速に決断し、ビジネスの手法を再構築し、効率性と生産性に注力する必要がありました。多くの企業・組織にとって、それは従業員を最大限に活用し、混乱と分散の世界で物事を成し遂げるための革新的な方法を見つけることを意味しました。また、その他の企業・組織にとっては、ローコードテクノロジーは、シチズンデベロッパーを開発に従事させ、課題に迅速に対処し、パンデミックの中でビジネスを通常どおり、または通常に近い形で実行し続けるための重要なツールになりました。

以下は、2021年のローコードにおける5つの予測です。

 

1 ローコードが重要なキャリアパスに

パンデミックが多くの経済分野に大きな打撃を与える中、失業中の社会人の多くは、別のキャリアパスを探しています。開発者への需要は依然として高いため、ローコードは、既存の職務を一時的または無期限に失った開発者にとって、新しいキャリアに活かせるスキルの再習得に値するテクノロジー分野です。

2021年、開発者のスキルの欠如は、アプリケーション開発への参入障壁ではなくなり、ローコードが有意義なキャリアオプションとなることに気付く専門家がますます増えていくでしょう。ローコード開発に加えてデザイン思考などのソフトスキルを組み合わせることができるスーパースターの需要が高まるでしょう。

 

2 企業・組織は、1回限りのソリューションへの投資から
ローコードエコシステムへの投資に移行

ローコードを使用すると、ITユーザーとビジネスユーザーが協力して問題を解決できます。企業・組織は、ローコードを成功させる原則に注力することで、より大きな投資収益率を得ることができます。企業・組織は、ローコードソリューションを、追加のツール、フレームワーク、およびローコードプラットフォームを実証するベストプラクティスで補完することにより、投資を強化できます。デザイン思考を実行し、融合チームを集めて、Muralのようなツールを活用することで、ローコードの力を再現可能なエンジンに活用して生産性を高めることができます。

2021年、より多くの企業・組織は、ローコードエコシステムへの進化を実現し、継続的な成長に向けた基盤を構築しながら、初期投資からさらに多くの価値を引き出すことができるようになります。

 

3 シチズンデベロッパーは「優れた統合者」に

企業・組織は、プロセスが分散したサイロで運用する必要がなくなります。2021年、シチズンデベロッパーがdevopsの広範な実装を成功させる鍵を握るでしょう。IT担当者とビジネスパーソンは、コーディング方法を学ぶことなく、同じ言語でコミュニケーションをとりながらビジネスアプリケーションの構築に協力できるようになります。

ITは、従来の「コストセンター」から、デジタルトランスフォーメーションなどの企業イニシアチブの戦略的推進力として進化を遂げるでしょう。また、シチズンデベロッパーは、ITとビジネス思考を結び付けるための秘密兵器になります。2021年は、シチズン開発が従来のサイロを解消し、ソリューションを迅速に拡張し、イノベーションを阻害しない企業開発のガードレールの役割を果たし、シャドーITを取り払うことができる一年となるでしょう。

 

4 より多くの企業が開発スピードの高速化のためにローコードに注目

COVID—19のパンデミックは、デジタルトランスフォーメーションの取り組みに遅れをとり、プロセスのギャップを埋めるためにアプリを迅速に開発する必要があることに気付いた企業・組織に大きな圧力をかけました。従業員と顧客のニーズを迅速に満たすために奮闘しているとき、適切なツールの提供と取り組む姿勢によって、信じられないほど速く行動できることを学びました。

2020年には、企業・組織がメリット(使いやすい再利用可能なテンプレート、構成可能なコンポーネント、ベストプラクティスを備えたソフトウェアを作成すること)、特にコーポレートガバナンスのパラメーター内でアプリケーションを迅速に開発できることを認識したため、ローコードの採用がより主流になりました。この成功は、2021年以降のローコードの爆発的な成長を後押しし続けるでしょう。

 

5 ローコード「もどき」は淘汰され

2021年、企業はローコードソリューションへの投資に関して、より慎重になるでしょう。ローコードが2020年の流行語になるにつれ、ますます多くのソフトウェアベンダーが便乗し、それには程遠いものを「ローコード」と呼び利用しました。しかし、エンドユーザーはこのトリックに気づき、何が本当にローコードで何がそうでないかを理解し始めています。そして、企業・組織は、もみ殻から小麦を選別するように、企業全体のニーズをエンドツーエンドで満たしながら、価値を迅速に提供できる堅牢なソリューションに目を向けることでしょう。これにより、ユーザーがエンタープライズクラスのソフトウェアを開発できるプラットフォームの必要性がさらに強調され、ローコードもどきが淘汰されていくでしょう。

2021年、ローコードが消え去ることはありませんが、それについての話し方とその意味は、市場でより明確に定義されることとなります。企業・組織の効率に影響を与えるローコードの能力は、2021年以降も、あらゆる企業のツールとして不可欠なものになることは間違いないでしょう。

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています
>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG