2020年度の電気・制御業界はコロナ禍の影響で厳しい1年となったが、2021年度は中国やアメリカ、国内でも設備投資の回復が見込まれ、底を脱する見込み。日本電機工業会(JEMA)の電気機器見通しによると、2021年度の重電機器の国内生産は3兆1035億円で前年度比1.5%増になると予測している。
20年度はコロナ影響でマイナス
ボイラやタービンなど発電用原動機、モータなど回転電気機器、変圧器やインバータ、サーボアンプなど静止電気機械器具、配電盤や制御盤、リレー、PLCなど開閉制御装置からなる重電機器。20年度の国内生産は3兆576億円で8.3%減で、各製品分野が軒並み5〜10%程度のマイナスとなった。
特にFAに強く関連する機器として、サーボモータは4.8%減、交流電動機は10.5%減、70W以下の小形電動機は18.3%減、監視制御装置は1.9%減、低圧開閉器・制御機器は9%減、プログラマブルコントローラは9.2%減だった。
21年度は国内外の設備投資の回復でプラスへ
21年度の重電機器の国内生産実績は、3兆1035億円で前年度を上回る見通し。中国やアメリカの半導体と電子部品産業向けの設備投資が期待され、その他産業も国内外で設備投資が緩やかに回復する見込み。
その牽引役となるのが回転電気機械、静止電気機械、開閉制御装置。発電用原動機が石炭火力発電向け市場の縮小が影響して低調となるが、その他が補う形となる。
回転電気機器は8279億円で、前年度比4.8%増。サーボモータは輸出を中心に電子部品や半導体産業向けの拡大が継続し、その他産業でも回復して7.2%増の860億7200万円。交流電動機は国内の設備投資が回復し、2645億5000万円(4.2%増)。小形電動機は3110億円(5.2%増)の見通し。
静止電気機械器具は5899億円で1.8%増加。電力変換装置が国内向けの太陽光発電用パワーコンディショナが回復し、サーボアンプがサーボモータ同様に好調を持続する。
開閉制御装置は1兆3620億円で2.6%の増加。監視制御装置は国内製造業向けが回復し、2%増の2397億円。低圧開閉器・制御機器はアジアの設備投資の回復が追い風となり、4511億円(4.1%増)と予測されている。プログラマブルコントローラは930億円で前年とほぼ同等。