IDEC ファクトリーソリューションズは、愛知県一宮市に新工場を竣工し、4月1日から稼働を開始した。新工場では生産工程の見える化のほか、モバイルロボット(AMR)による自動搬送や大規模な再生可能エネルギーの利用、制御盤製造の一部自動化など、スマートファクトリーに向けたデジタル技術を多数取り入れた先進工場となっている。
同社はIDECのグループ会社で、工作機械や半導体・液晶製造装置、物流・搬送装置等に関連したシステム製品の設計・受託生産など制御技術を活かしたシステムソリューション事業と、安全関連機器や安全システムを軸に協働ロボットやビジョンセンサ、AI、AMRなどを組み合わせ、人と機械が同じ現場で力を合わせて働くための協調安全ロボットシステム事業を柱としている。
新工場は愛知県一宮市にあり、地上3階鉄骨造の建屋で延床面積は2766平方メートル。14億円を投資して建設。生産エリアを拡大してシステムソリューションの生産能力を2倍に高めている。
生産エリアに大型モニターを設置し、各種情報を表示することで「生産工程の見える化」を実現しているほか、AMRを導入して部品・完成品の搬送を自動化し、生産性と効率性を向上。さらに環境負荷低減に向けて屋上に年間約8.6万kw の発電が可能な太陽光発電パネルを設置し、新工場の45~50%の電力使用を自家発電でカバーできるようになっている。
また2021年度には、電気設計の3D CAD「EPLAN」を活用し、制御盤内に使用するワイヤーハーネスの測長、切断工程を自動化する。さらにグループ会社の IDEC AUTO-ID SOLUTIONSの自動認識機器を活用し「進捗管理を見える化」するなど、今後もIoTを活用して工場の進化させていく予定。
また22年3月の完成を目指し、新本社の建設も行う。新本社は地上3階鉄骨造で、協働ロボットの活用方法や安全なシステム構築方策を提案し、ニーズに合ったシステムを提供するための拠点である「協調安全ロボットテクニカルセンター」を1階に設置し、同じフロアに協調安全ロボットシステムの生産エリアを設けることで生産能力を3倍に拡充する計画。2階はセミナールーム、3 階は設計・営業・経営管理などの事務フロアとなる。屋上には太陽光発電パネルを設置する。