安川電機は、ロボットアームと溶接設備などをパッケージにした「MOTOPAC(モートパック)シリーズ」のなかで、レーザー溶接に必要な設 備を含めたレーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25Jp」を4月20日から発売した。価格はオープン。
新パッケージは、レーザー溶接に必要なレーザー発振器やレーザー照射ヘッドの選定、ロボットアームとの組合せや制御方法などレーザー溶接に必要な設備をトータルでそろえて提供し、設備導入から稼働までの手間をできる限り省くことができるもの。
パッケージには、同社開発の小型軽量レーザー照射ヘッド(ガルバノスキャナーヘッド:質量約 16㎏)を、中型多用途適用型ロボット MOTOMAN-GP25(可搬質量 25㎏)に搭載。設備設置面積の省スペース化で既設のアーク溶接設備への入れ替えや新規導入を容易に行うことができる。
さらに、レーザー照射ヘッドまでの配線・配管の一部はロボットアーム内へ収納できるので、取 り回しの簡素化と周辺への干渉回避による使い勝手の良さを発揮する。
また、パッケージ製品の強みを生かし、構成される機器間の親和性を向上し、ウォブリング 溶接機能、溶接速度、レーザー出力、入射角度などの溶接条件は、すべてロボットのプログラミングペンダントで設定可能なため、溶接対象の厚み、形状、材質に合わせた最適な溶接条件の検討を効 率的に行える。しかも、アーク溶接では難しかった溶接途中での条件変更も可能。
その他、高出力レーザー照射により、アーク溶接の1・5倍~4倍の溶接速度を実現でき、ロボット先端に設置するレーザー照射ヘッドを小型軽量化したことで、高速移動時のロボットへの負荷を低減で、溶接開始位置への移動速度の向上や、溶接中の軌跡精度の向上に貢献。
レーザー溶接は、溶接点が極小(集光スポット径0・3㎜)でエネルギー密度が高いため、高精度な溶接が可能で溶接適用範囲が拡大するほか、レーザー照射ヘッド内で照射方向を高速・高精度で微動させることで太い溶接線を確保するウォブリング溶接機能も搭載している。