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プラント建設大手の日揮グループでは「ITグランドプラン2030」を掲げ、AIやIoTなど最新のデジタル技術を活用したビジネス改革に取り組んでいる。そこで求められるのが、経験や勘だけに頼るのではなく、データから判断するデータドリブンをベースとした業務の進め方だ。
同社ではデータ基盤の整備を進めるのと並行して、社内向けにデータ活用のトレーニングを実施している。
トレーニングをもとにどのようにデータ活用の土台を作っていったのか、グループ基盤DX部 データ分析基盤課 課長の北中 康弘氏と、データサイエンティストの喜多 陵氏、トレーニングに参加したデータエンジニアの齋藤 綾香氏、講師を担当したジールの佐野 満当香の4名に話を聞いた。
データ活用の風土づくりにPower BIの導入を検討
ーーMicrosoft Power BI(以下、Power BI)のトレーニングを実施しようとした背景について教えて下さい。
北中氏 日揮グループでは2018年12月に将来を見据えた新たなIT戦略として「ITグランドプラン」を打ち出しました。2030年を目標に、AIやIoTなどのデジタル技術を積極的に活用して業務を高度化しようというものです。
そこでは、データに基づいた意思決定を行うためにデータ分析基盤を整備し、見積もり業務やコスト、納期の予測など、高度なデータ活用が求められており、同時に、データ活用を普段の業務に生かせるような人材育成にも重点を置いています。
そのため、データ収集からデータの可視化を社内に定着させ、データ活用の土台を作ることになりました。そして、ベースとなるデータ分析ツールには、すでに導入していたMicrosoft 365との親和性が高く、コスト面でも大規模導入が可能であることから、「Microsoft Power BI(以下、Power BI)」を選定しました。
喜多氏 私自身もPower BIについて勉強したいと考えて、マイクロソフトとジールが共催していた「Power BI Dashboard In A Day」というハンズオン形式のイベントに参加しました。2019年夏のことです。
イベントの内容はとても良くできていて、Power BIをデータ活用に使うのであれば社員の皆さんに受講してもらったほうが良いのではと考えて、マイクロソフト認定パートナーであり、Power BIを活用したデータ分析や研修において実績が豊富なジールに相談しました。その後、当社のデータ活用を推進する目的でトレーニングプログラムとして社内で提案したところ、すぐに承認が下りました。
北中氏 Power BIの導入の検討を進めていて、さらなるデータ活用を推進するタイミングだったので、ジールのトレーニングをスムーズに決定することができました。