日本電気制御機器工業会(NECA)は、電機制御機器の2021年度の出荷見通しを発表した。21年度は出荷総額6520億円、前年度比8%増となる見通し。ここ数年はピークだった2017年から漸減してきたが、コロナ禍もあって20年度で底を打つと見られ、21年度は回復から拡大への筋道を立てる勝負の年になる。
2021年度、19年度出荷総額を超える見通し
21年度は出荷総額6520億円。20年度はコロナ禍で大打撃を受けたが、新型コロナウィルスのワクチンの普及とともに市況の改善が見込まれ、19年度並みか少し良い程度に戻る見通し。
国内は3760億円(7.5%増)と好調で、上期は1840億円(10.1%増)、下期も1920億円(5.2%増)の予測。20年度下期から回復傾向になり、21年度も好調を持続すると期待。新型コロナのワクチンの普及による市場環境の改善やDX拡大や環境対策への投資が増えることにより、半導体製造装置や工作機械、ロボット、自動車などのFA市場に関連する主産業の回復も見込まれる。
輸出は2760 億円で8.7%増加。上期1360 億円(13.4%増)、下期1400 億円(4.4%増)と予測している。20年11月頃から中国やアジア各国に加え、欧米も回復してきており、21年度もそれが続くと見られている。
2020年度 輸出は早期回復も国内が遅れ
20年度の出荷総額は、6.2%減の6036億円。国内は11%減の3497億円、輸出は1.2%増の2540億円の見通し。
国内は新型コロナの影響により、上期はリーマンショック以来の低水準の出荷額になるなど大打撃を受け、下期は半導体製造装置やロボット産業、自動車産業が回復したが、上期の影響が大きく二桁減になると予測している。
輸出は、中国がいち早く回復して20年6月から二桁増が続いていて、欧米も11月から前年を超える出荷を示している。結果、通期でも前年を上回る見込み。