イートン・エレクトリック・ジャパンは、アジア太平洋地域の電力管理事情を調査したレポート「Eaton EnergyAware | アジア太平洋地域のパワーマネジメントの未来」を公開した。
これによると、日本はアジア各国に比べて電力管理への関心が薄いが、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするグリーン成長戦略が示されたことにより、変わっていくだろうとしている。
同レポートは、日本、シンガポール、オーストラリア、インドネシア、韓国、台湾のアジア6地域での電力管理事情を調査したもの。
APACではエネルギーコストと最適化への関心、エネルギーの削減への関心が高く、電力管理における優先課題はエネルギーコストと最適化が77%、消費電力の削減が66%、再生可能エネルギーの割合を増やすが53%、ダウンタイムの削減が47%となった。
電力管理における優先事項に大きく影響を及ぼす要素については、持続可能な目標だと答えた企業が62%に達し、企業のコスト削減対策58%、企業の長期活動計画57%、中核事業でのエネルギー管理40%と続いた。電力管理ではエネルギーコストと最適化を果たすために持続可能な目標と組み合わせて実現しようとする企業が多くなっている。
しかし日本はアジアのなかで電力管理ソリューションに対して関心が低く、電力管理にデジタル技術を導入する企業は、アジア各国の平均が60%超あったのに対し、日本は27%にとどまった。
関心のある機器やサービスについて、日本ではUPSが37%で、電力保護回路が30%、発電機が20%だったが、APACではインテリジェントな電力管理ソリューションが70%、蓄電池63%、コンテナ化されたモジュールソリューションが45%、UPSが41%、冷却技術35%と違いが見られた。
日本では政府の方策や省エネへのインセンティブへの関心は他国に比べて低く、わずか17%。日本の組織が省エネの役割を果たしていると考えている企業は29%しかおらず、オーストラリアの96%、インドネシアの83%、シンガポールの79%と対照的な結果となった。
それでも日本もグリーン成長戦略によって少しずつ意識が変わっており、それを達成するには
ソーラーや風力、水素といった低カーボン技術への移行を加速し、規制や構造を改革しエネルギー市場での競争力を高める必要があるとしている。