2021年、産業用ロボット市場は好況を予測。新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた自動化、非接触の受け皿としてのロボット活用で需要広がりに期待され、受注額は9640億円、生産額も8650億円で増加の見通しとなっている。
日本ロボット工業会が公表した「ロボット統計受注・生産・出荷実績 2020年【会員+非会員】」によると、2020年の年間受注額は前年比5.8%増の8588億円、受注台数は4.3%増の21万365台。生産額は1.5%減の7665億円、生産台数は0.1%増の19万2974台となった。コロナ禍の影響等により年初から低調だったが、中国からの外需増が輸出市場を牽引し、下期からは他の地域や一部用途向けでも復調傾向となり、年間トータルとしては堅調となった。
仕向地別では、国内は出荷額は18.1%減の2085億円、出荷台数は2.8%減の7813台。いずれも2年連続の減少となった。
一方で輸出は好調で、輸出額は4.3%増の5728億円、輸出台数は8.3%増の15万4946台だった。中国向けの輸出額は23.2%増の2680億6400万円と絶好調。北米も2.2%増の1020億1300万円と前年を上回った。ヨーロッパは不調で、18.3%減の613億1900万円にとどまった。
2021年の見通しは、半導体や樹脂部品の不足等の懸念材料はあるが、輸出市場を中心に緩やかな景気回復と、従来からの底堅い自動化需要、コロナ禍の感染防止対策としてのニーズの拡大が見込まれ、受注額は12.3%増の9640億円、生産額は12.9%増の8650億円と増加を見込んでいる。