富士経済、EV・PHV向け充電インフラ普及動向を調査 中国の整備状況の充実が目立つ

富士経済は、EV・PHV向け充電インフラの普及について主要16カ国の市場を調査した。日本における充電インフラの普及動向は、2020年段階で普通充電器が2万7600個、急速充電器が7835個、ワイヤレス給電300台。これに対して中国は、普通充電器が42万6500個、急速充電器が21万5100個、ワイヤレス給電3400台。アメリカが普通充電器が5万9850個、急速充電器が1万7300個、ワイヤレス給電1800台。中国の急激な普及状況が分かる結果となった。

中国では2018年と2019年でスクラップ&ビルドによる充電ステーションの見直しと再整備が進められた。2020年にはいち早くコロナ禍から脱して景気が回復し、EV販売が好調となって充電ステーションも前年から3040カ所増加し、累計で3万1400カ所となった。オフィスビル・公的機関に最も多く設置され、商業施設の駐車場や幹線道路の道路脇などに設置されている。
充電ステーション1カ所あたりのコネクター数は20.4個で、他国に比べて大規模となっている。規格は日本のCHAdeMO協議会と中国電力企業連合会の共同で策定された超高出力新急速充電規格「ChaoJi」への注力度が高く、早ければ2025年頃から対応EVと充電器の投入が始まる予定。2030年以降に普及が急加速して急速充電器の設置数は100万個を超えるとみられている。ワイヤレス給電も停車中給電に加えて、2025年以降には走行中給電も実用化されると見られている。

アメリカでは、2020年はコロナ禍でも充電インフラ整備はスケジュール通りに進み、急速充電器はCCS(Combo1)やSuperchargerを中心に1000個以上、普通充電器は1万個以上新たに設置された。充電ステーションも前年から915カ所増加し、累計で2万3050ヵ所となった。設置場所は、商業施設の駐車場が最も多く、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、幹線道路などに設置されている。ワイヤレス給電はEVバス向けが増加している。

日本では2020年には充電ステーション数が265カ所増加。プラグイン充電器のうち7割以上が普通充電器であり、3kW以下の低出力なものが多い。急速充電器の高出力化も欧米に比べて進んでおらず、CHAdeMOの出力も50kW以下が大多数を占めている。超高出力新急速充電規格「ChaoJi(CHAdeMO3.0)」の設置が増えていくのは、2030年以降とみられている。

https://www.fuji-keizai.co.jp/

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