日立産機システムは、注油レスにより点検工数を大幅に低減し、保守性を向上した真空遮断器「新型 C シリーズ」を9月から発売する。
真空遮断器は、高真空の優れた絶縁耐力と消アーク能力を利用して電路の負荷電流を遮断し、機器や電力系統に異常が発生した時には過電流継電器などと組み合わせて自動的に回路を遮断し、故障系統を切り離す。高圧回路に短絡事故などが発生した場合に、大電流が流れると瞬時に被覆が溶融し発熱・発火など重大事故につながる恐れがあるため真空遮断器は高い信頼性と安全性が必要とされる。このため構造は複雑で多くの摺動部があり、定期的な中油が必要となっていた。また保守点検や更新の際は、安全確保のため電路の遮断が必要となり、作業の短時間化が求められている。
これに対し同製品は、摺動部の大部分を特殊コーティングし、定期的な清掃と注油作業が不要な注油レスを実現。従来機と比べて大幅な点検工数と作業時間を低減し、不具合も低減した。
また20年間の点検回数は、従来機では16回行っていたところを2回に、精密点検は3回から1回に削減。総点検時間を大幅に短縮し、交換部品も低減することで保守コストを低減した。
また本体は24kgと業界最軽量クラスとなり、更新用互換パネルの採用と取り付けフック標準装備により置き換えが容易にできるようになっている。