海外の産業用コネクタを輸入販売するソルトン(横浜市港北区、志賀彰社長、資本金1億円、従業員数97人)を、丸紅が7月1日付で買収し、グループ会社化した。丸紅はグループ内に同じくコネクタを中心に販売する丸紅エレネクスト(7月1日付で社名変更、旧河野エレクトロニクス、大阪市北区)を有しており、将来的には一体化してコネクタ販売で相乗効果の発揮を狙う。
ソルトンは1974年創業で、海外からの電子機器の輸入販売商社の草分け的存在の一つ。とりわけ欧米中心にストーブリ社をはじめ、メルコタック社、フンメル社、オムネティクス社、GISMA社、アイコテック社、シュレーゲル社など約20社の産業用のコネクタや配線ケーブル、操作用スイッチなどを販売しており、2020年12月期の売り上げは約40億円。工作機械やロボット、重電機器などの産業機器向けで高い実績を有している。
同じくコネクタ専門商社として2016年に丸紅グループに入りしている丸紅エレネクストが製品幅を拡大していく方針からソルトンのグループ化を打診し、買収に至った。丸紅エレネクストの21年3月期の売上高は145億円。
ソルトンは丸紅グループ入りを機に決算期を丸紅に合わせるため12月から3月に変更して、今期は15カ月の変則決算にする。また、丸紅から会長、副社長など役員5人と部長級社員1人が入る。
コネクタ市場は、自動車関連、IoTや5G関連を中心に需要が拡大している一方で、国内外のメーカー間の競争も激しくなっている。丸紅グループが扱う産業機械や装置とのシナジー効果に加え、グローバル販売ネットワークを活用した展開を進める。
ソルトンの志賀社長は「2024年に創業50周年を迎えるが、この間に市場を取り巻く環境は大きく変った。とりわけEC(ネット販売)の普及でコネクタの販売は価格競争が激しくなっている。丸紅との連携で、課題であった営業のマンパワーが大幅に強化できることになり、ソリューション提供に重きを置いた付加価値が提供しやすい環境が整うことになり、サプライヤ、ユーザー、社員にも喜んでもらえると思う」と語っている。