日本ロボット工業会は、2021年4−6月期のロボット統計受注・生産・出荷実績を公表した。受注額が対前年同期比56.5%の増加、生産額が32.7%の増加となり、前年同期を大きく上回り、四半期として過去最高を記録。急回復が鮮明となっている。
受注台数は7万1650台(59.9%増)、受注額は2502億円(56.5%増)、生産台数は5万9457台(37.4%増)、生産額は2098億円(32.7%増)、総出荷台数は5万9693台(34.8%増)、総出荷額は2089億円(31.6%増)。いずれも前年から30%以上の増加となった。通年で過去最高だった2018年と比べても、第1四半期、第2四半期いずれも上回っており、このままを維持すると上回る見込みだ。
出荷実績では、輸出比率が8割を突破。中国向けを中心にアジアが好調を維持し、総出荷額の半分を超える1172億7500万円となった。北米も順調で、ヨーロッパは2018年並みに戻ってきている。
国内向けは、前年割れが続いていたが、出荷台数・出荷額ともに前年増となり、下げ止まりの傾向が見えるようになった。
自動車製造業向けは、出荷台数は2477台(1.8%減)、出荷額は111億円(増減なし)で前年と状況はほぼ変わっていないが、電気機械製造業向けは出荷台数2975台(57.5%増)、123億円(39.6%増)が回復を示している。
全体的に、2018年を上回る過去最高ペースで推移しているが、一部で過熱感と、地政学上リスクやコロナ禍による不透明感が懸念されている。