THKは、LMガイド等の機械要素部品にセンサを取り付けて状態を見える化・管理するIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」について、利用者向け特典として、故障した際に優先的に交換部品の製造・出荷が受けられる「製造ゼロ待ちチケット」と、機械要素部品が損傷した際、その価格と交換に関わる作業費を保険で補償する「IoTリスク補償」の提供を9月1日から開始する。
OMNIedgeは、熟練者の感覚に頼っている産業用ロボットや加工機械、製造装置等の保守点検作業について、その解決策として 「簡単・安全・初期コストゼロ」をコンセプトに、 IoTを利用して機械要素部品の状態判断や予兆検知を提供するサービス。同サービスの導入によって、保全の現場で広く行われている、時間を基準に定期的にメンテナンスを行うTBM(Time Based Maintenance)から、製造現場での機械要素部品の状態に合わせて保全を行うCBM(Condition Based Maintenance)への移行を促している。
これまで人手によらず定量的に部品の状態を常時把握し、 適切なタイミングでの保全実施や、 突然機械が故障するリスクの低減に貢献してきたが、その一方で、故障後の交換部品のスピーディーな調達や交換時の費用負担には問題が残っており、今回の2つの新特典はそれらを解決するために開発された。
「製造ゼロ待ちチケット」は、同サービス利用ユーザーの機械・装置で機械要素部品の不調・異変があって交換が必要となった際、優先的に同社が交換部品を製造して速やかに提供するサービス。これまで交換部品の調達では、自ら在庫部品を持つ、商社等から在庫部品を購入する、メーカーに依頼するという方法があったが、いずれも新規販売用のルートと重なる部分があったため、納期が不安定で手間もかかっていた。それに対し製造ゼロ待ちチケットは、同サービス利用ユーザーの交換部品の調達専用ルートとなるため、標準納期で代替製品が確実に手配できるようになる。
「IoTリスク補償」は、同サービスの予兆検知機能が働かず、 センサを取り付けていた機械要素部品(LMガイド、 ボールねじ、 アクチュエータ)に損壊が発生した場合に限り、原因箇所の機械要素部品の価格と交換に係る作業費を保険によって補償するもの。東京海上日動の保険によって最大100万円まで補償される。
新たな2つの特典は、同サービス契約時に自動的に付加され、特別な手続きは不要。すでに導入しているユーザーに対しても有効となる。