アンリツは、電源や通信制御機器メーカーの高砂製作所について、NECが保有する発行済み株式の99.7%を取得し、子会社化することを決定した。株式取得時期は2022年1月を予定している。大電流・高電圧・大容量の電気エネルギー制御技術を持つ同社をグループ化することにより、自動車業界のEV化をはじめ需要が高まる電池測定市場への競争力を強化する。
↓↓以下はアンリツ発表資料より↓↓
株式会社高砂製作所の株式取得に関するお知らせ
アンリツ株式会社(代表取締役社長 濱田 宏一)は、2021年7月30日開催の取締役会において、日本電気株式会社(以下NEC)の子会社である株式会社高砂製作所(以下高砂製作所)の発行済み株式のうち、NECが保有する99.7%分を取得することについて決議し、2021年7月30日付でNECと株式譲渡契約を締結したことをお知らせいたします。株式取得の時期は、2022年1月を予定しています。
高砂製作所の概要
会社名:株式会社高砂製作所
所在地:神奈川県川崎市高津区溝口1-24-16
設立日:1950年7月25日
代表者:代表取締役 上杉 則彦
資本金:1億2,000万円
従業員数:217名(2020年6月15日現在)
事業内容:電源、電子負荷装置[※1]、情報通信機器、通信制御機器、およびそれらの応用システム製品などの研究開発・製造・販売
生産拠点:山形県鶴岡市
株式取得の目的
カーボンニュートラル社会の実現に向け、自動車などの内燃機関電動化[※2]や再生可能エネルギーの利用[※3]、社会インフラの省電力化などの取り組みが世界中で加速しています。これらの分野では、性能の向上および耐久性や安全性を担保する、品質保証をテーマとした研究開発や生産活動が活発化しており、電気エネルギーをきめ細かく制御する試験システムが求められています。また、特に自動車業界では、研究開発の効率化のため、供試体[※4]の動作環境を擬似的に再現できる試験設備の重要性が高まっています。
当社は、中期経営計画GLP2023において、「EVおよび電池測定」を重点的に開拓する分野の一つとして掲げています。業界屈指の高電圧・大電流・大容量の電気エネルギー制御技術[※5]や業界を牽引するお客さまとの取引関係を持つ高砂製作所を、この分野を開拓するための中核と位置づけアンリツグループに迎え入れます。
さらに、当社が計測事業で培ってきた試験システム構築技術やグローバルな事業基盤を活用することで、高度化とグローバル化が進むEVおよび電池測定の分野において、お客さまの試験ニーズに応えるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
用語解説
[※1] 電源、電子負荷装置本リリースにおける電源、電子負荷装置とは、主として工業製品の試験に用いるため、予め設定する電流・電圧を出力する電源と、予め設定する電流・電圧を消費(負荷)する装置を指します。製品により、その設定範囲、精度、応答速度などが異なります。 [※2] 内燃機関電動化自動車のみならず、二輪車、船舶、航空機、農機、建設用重機など、内燃機関で駆動するシステムの電動化が進むと予想されています。 [※3] 再生可能エネルギーの利用再生可能エネルギーを導入するためには、発電した電気エネルギーを所定の規格の交流電力として宅内配線や配電網に接続する必要があり、そのために電力機器メーカーで整流装置などを開発、製造しています。電源や電子負荷装置は、これら電力機器の性能を向上させ再生可能エネルギーの効率的利用を実現するために用いられています。 [※4] 供試体性能や品質を検証するため実験に用いられる試験サンプルのこと。 [※5] 電気エネルギー制御技術電源、電子負荷装置を用い、電流・電圧を希望の値に制御することを指します。例えば、EVの走行を想定した電池の試験において、駆動系部品が必要とする電流・電圧を電子負荷装置によって模擬する例などが挙げられます。https://www.anritsu.com/ja-jp/about-anritsu/news/news-releases/2021/2021-07-30-jp01