オムロンは、業界初の撮像技術と、AI搭載の基板外観検査装置「VT-S10シリーズ」を8月5日からグローバルで発売した。
新装置は、同社独自の「MDMC」撮像技術で、検査対象基板の部品やはんだ形状といった特徴に合わせて、検査時の照明の照射角度や、色、光量を自動で最適制御することで、設定工数を約70%削減。また、同社が30年以上にわたり外観検査の現場で培った画像処理のノウハウと、はんだ検査に対する知見を学習させたAIを搭載することで、従来、人の感性に頼らざるを得なかった検査も自動化できるようになり、検査正解率も大幅に向上させた。
さらに、他社製造設備とデータ連携することで品質傾向を把握し未然に不良発生を防止するために、①各工程の検査結果を数値・画像含めデータ化することで品質の見える化②最終工程の検査結果から印刷後、マウンタ後工程の検査基準を自動最適化することで直行率向上を図っている。
昨今、基板の高密度化、微細化が進むことで、検査難度が上がり、従来の基板外観検査装置では、はんだの形状を的確に撮像することが難しく、検査範囲や項目に限界が出ている。一方、製造現場では、熟練者不足など人手不足が深刻化する中、新型コロナウィルス感染症対策として、製造現場における密集・密接回避や移動制限が求められており、外観検査装置の設定や立ち上げ時の熟練者の経験や技能を”スキルレス化”することが急務になっている。