FA・電機制御・機械 主要上場商社 2021年4−6月期業績 18社中17社が増収増益 利益率も大幅改善 自動車、半導体製造装置向けが追い風

コロナ禍で厳しい1年となった2020年度に対し、2021年度は日本国内でもワクチン接種の開始や自動車産業や半導体業界の活況によってFA・自動化業界も持ち直しはじめている。2021年度第1四半期における主要な電機・機械、FAメーカーの業績は好調。さらに、商流で大きな影響力を持つ流通商社も業績は急回復を見せてきている。

FA・電気制御・機械関連製品を取り扱う主要な上場商社18社の2021円4−6月期業績を見ると、18社中17社が増収増益。ちょうど1年前の2020年4−6月はちょうど第1回目の緊急事態宣言が出ていた最も厳しい時期であったことを差し引いても、営業利益、純利益の大幅な改善が目立つ。

最も大きく売り上げを伸ばしたのは、前年同期比50.5%増となった萩原電気ホールディングス。主要顧客である自動車関連の大幅な増産が追い風となった。特に自動車向けLSIなどの半導体や電子部品の販売、技術支援、受託開発等を行っているデバイス事業が前年同期比61.6%増と急伸した。IT・組込機器、FAシステムなどのソリューション事業は情報化投資や設備投資を取り込み5.4%増となった。

立花エレテックは24.8%増。FAシステム事業が4月にシステム・ロボットビジネス主体の部署と機器ビジネス主体の部署へと専業組織化を実施して営業体制を一新。半導体製造装置、自動車、物流関連で設備投資が好調で、PLCやインバータ、ACサーボ、配電制御機器が増加。産業機械分野でも工作機械と自動化設備、デバイスコンポーネンツではタッチパネルモニタ、産業用コネクタが大幅に増加した。システム・ロボットも鉄鋼プラント向け工場設備案件を獲得するなどの成果を上げた。

サンワテクノスは、売上高19.9%増に加え、営業利益、経常利益、純利益が大幅に改善。営業利益は前年同期の7400万円から12倍強となる9億7400万円(1216%増)、経常利益は609%増の10億1100万円、純利益も615%増の7億9000万円となった。国内は産業機械向けの電機品、電子部品、設備機器、自動車関連搭載向けの電子部品の販売が増加し、売上高264億2700万円(15.1%増)、営業利益も7100万円の損失から5億4600万円に転換した。アジアは売上高102億3800万円(37.3%増)、営業利益4億2400万円(199.8%増)、欧米は売上高13億3000万円(8.0%増)、営業利益は1200万円(7.1%増)となり、グローバルで好調となった。

山善は18.0%の増収となり、生産財関連事業が25%増の719億6100万円と拡大。国内では機械事業は幅広い業種で脱炭素向けの設備投資がはじまり、半導体製造装置の部品加工向けの工作機械受注が堅調。海外は中国で自動車・半導体産業向けの設備投資が旺盛で、工作機械の受注と半導体製造装置向けのメカトロ機器の受注が伸長。台湾ではパソコンやスマートフォンを製造するEMSの設備投資が活発だった。同社は事業の好調さを受け、2021年度業績予想を売上高4900億円、営業利益130億円、純利益90億円に上方修正した。

因幡電機産業は、主力の電設資材事業が首都圏の再開発需要にともなう受配電設備や防災設備の納入、前期の落ち込みの反動等により、6.1%増の374億7200万円。産業機器事業は、半導体関連向けの販売好調と、設備投資持ち直しによる制御機器、電子部品の販売画像化し、12.5%増の78億6000万円となった。

菱電商事は、車載向け半導体、電子部品、素材需要が高止まりし、5G向けの設備投資が伸長。FAシステムは半導体製造装置と工作機械向けが好調で、売上高は97億8900万円(23.8%増)、営業利益は2億4900万円(471.1%増)。エレクトロニクスは、自動車関連向け、産業機器では半導体製造装置、工作機械関連向けビジネスが好調で、売上高は357億4300万円(23,.3%増)、営業利益は9億3800万円(1137%増)となった。

カナデンは、情通・デバイス事業とFAシステム事業が好調で増収増益。FAシステム事業は、中国市場と半導体・液晶市場が急速に回復しコントローラや駆動機器が堅調で、売上高は81億2300万円(5.0%増)となった。情通・デバイス事業は、HDD用ICの需要増加、産業機器向けにパワー半導体が好調だった。

たけびしは、産業機器システム分野では半導体製造装置や電子部品実装期関連を中心にFA機器が好調で、5Gや環境関連で装置システムが増加。社会インフラ分野では、医療施設向け装置や携帯電話、5G基地局設計、OA機器が伸びた。

明治電機工業は、主要顧客である自動車関連企業の国内外の自動車販売が好調で、CASE向けの投資も旺盛、カーボンニュートラルへの取り組み開始を受け、自動車ビジネス強化の体制整備を進めている。また製造業に対してもカーボンニュートラルへの貢献、エンジニアリング事業の強化などをスタートさせ、増収増益を確保した。

スズデンは、半導体需要の拡大と設備投資意欲の高まりから、半導体製造装置関連の生産と設備投資が好調で、半導体・樹脂材料の部材不足の懸念から先行受注の増加などをあり増収増益。FA機器分野ではRFIDやPLC、リレーなど、情報・通信機器分野では産業用パソコン、ルーター、無停電電源装置等が増加した。

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