テスラのイーロン・マスクCEOは、自社イベントのなかで人型ロボット「Tesla Bot(テスラボット)」の開発を行っていることを発表した。外観は全身タイツを着た人のような格好で、サイズは日本人で背が高めの女性、痩せ型の男性とほぼ近い身長173cm、体重は57kg。頭部には情報を表示するスクリーンやカメラを備え、胸にコンピュータを搭載。テスラボットは自律的に動くことができ、肉体労働や退屈な作業を代替するものとしての利用を想定しているとのこと。2022年にプロトタイプが発表される予定だそうだ
ここでふと未来の工場、製造現場の姿を考える。テスラボットのような人型ロボットが普及して人の作業を代替するのが良いのか、逆に、人が作業する前提ではなく、機械や仕組みが生産の主体になるようにした方が良いのか。どちらも無人化、省人化工場には違いないが、コンセプトはまるで違う。どちらの方が効率が良いのだろうか。
人型ロボットによる無人化工場のメリットを考えてみると、①現在の工場、設備を資産として有効活用できる、②移行がラク、③改善や改良も人の視点で考えられるなどがありそうだ。一方で、人の姿を前提としているので、いまの工場の延長線上にしからならず、ブレイクスルーや大変革にはつながりにくい。これまでは作業できるものが人しかいなかったから人がやっていたのであって、もっと未来のことを考えたら思考をそこから離した方がアイデアは無限に広がるかもしれない
とは言え、今は人と機械、ロボットが協働している段階だが、人型ロボットによってロボットとロボットが協働する時代になれば、人とロボットではできなかったことができるようになり、もっと可能性は広がる。プレイヤーが変わればプレーの選択肢も変わるのは当然のことで、人型ロボットというプレイヤーが増えるのはとても楽しみだ。人型ロボットが活躍する姿は私たちの誰もが一度は夢見た世界。夢は膨らむ