人が持つ無限の可能性を現場で活かす

オリンピックに続き、パラリンピックが閉幕した。開催の是非はともかく、障がいによるハンディキャップを、努力とトレーニング、さらには支援器具を使って乗り越え、素晴らしい記録を出す選手たちの姿は、人の可能性、未来への想像力を刺激し、とても楽しく参考になった。これまでのスポーツとは異なる、新しいスポーツであると言う人もいたが、まさにその通りだと感じた

義肢を着けたり、伴走者と一緒になったりして、速く走り、高く跳ぶ陸上競技。激しくぶつかり合う車イスラグビー。クルクルと素早く方向を切り替える車イスバスケット。人馬一体かのごとく車両と一体になって走り抜ける自転車競技。支援器具を使いこなす技術は見応えがあった。

一方で、手足が不自由ながら何十メートルも泳ぎ切る水泳選手や、両腕がなく、口でラケットを加えてプレーする卓球選手など、その身ひとつ、体の動かす技術で信じられないプレーをする姿にも驚くしかなかった。パラリンピックを通じて、人の体のすごさと、それを引き出す支援器具、さらにはそれを使いこなす人の適応能力。人が持つ無限の可能性を教えられた

工場や製造現場では自動化が進んでいる。作業を人から機械、ロボットへ置き換え、省人化をして人の力に頼らない方向へと歩んでいる。大まかな方向性としては、効率化のためには自動化を進めていくことが正しい道であることは間違いない。しかし一方で、従来のやり方を見直したり、支援器具等を使うことで、人の作業性や効率性はもっと高めることはでき、働きやすくすることもできるはずだ。

遠い未来は完全自動化になるかもしれないが、いまとこれから続く未来は人と機械が一緒に働く姿で進んでいく。もう一度、人の力を信じてみよう。できることはまだあるはずだ。

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