建設・土木業界でも自動化や機械化が進み、建設機械を筆頭に多くの産業機械が現場で活躍している。作業の効率化や負荷の低減、人手不足の解消などに成果を上げているが、一方で操作ミスなどによる事故も発生し、機械の安全対策が求められるようになっている。そんななか、工場内の設備で使われている安全機器が、工場を飛び出し、屋外で使う建設・土木業界用機械への採用が広がり始めている。
大和ハウス工業は、建設現場で使われる高所作業車について、IDECの3ポジションイネーブルスイッチとPLC、センサ等を使って構築した挟まれ防止用システムを採用した。
高所作業車は、作業者がフットスイッチを踏んでデッキを上昇させるが、作業に集中していたり、手すりから身を乗り出すような不安定な状態で操作すると、天井や躯体とカゴの間に人が挟まれて労災事故が発生することが度々あった。
それに対し同システムは、デッキの手すりに対象物との距離を判別するセンサを設置し、警告距離に達するとフットスイッチが無効となって上昇が停止。操作を再開するには、装置に設置されている3ポジションイネーブルスイッチを押しながらでないとフットスイッチは有効にならず、挟まれ事故の防止に役立つ。
今後IDECは、建設機械レンタル企業向けにアレンジした安全システムを販売するなど横展開を検討しており、2023年までに5000台の販売を目指すとしている。