アズビルは関西電力と共同で、AIを活用し発電設備を主な対象とした異常検知システムの開発を進める。
火力発電所では監視対象となる設備が多種であることに加え、発電出力や運転環境の変動により運転状態が時々刻々と変化するため過去の運転挙動が再現されることが少なく、さらには同一の不具合事象が再発することが稀であることから、広範な設備監視を行う必要がある。
今回、関西電力が持つ火力発電に関する運転・維持管理業務や大量の運転データ、および異常検知ツールの運用ノウハウと、アズビルが持つ異常予兆検知システム「BiG EYES」、およびAI開発・運用に関するノウハウを集約して協業するもの。
一般的に、AIを用いて広範な設備監視を実現するためには、火力発電所とAI両方に関する専門的な知見を有する要員が、膨大な量のAIモデル構築と運用開始後のモデル維持管理作業を行う必要があり、その要員の確保と AIモデルの構築・維持・管理に対する労力が課題といわれる。
今回の共同開発により、従来は労力の問題から監視対象に含めることができなかった設備や異常事象も広く監視可能となり、運転管理・設備管理レベルが向上することで電力のさらなる安定供給に貢献できる。
両社は、2021年度中を目標に開発業務を完了し、22年度より本シ ステムの販売を実施する予定。