アズビルは、本州化学工業和歌山工場(和歌山市)の動力設備(ボイラーおよび発電設備)に 、「Dx バルブクラウドサービス」の提供を8月27日から開始した。
Dx バルブクラウドサービスは、コントロールバルブに関する状態を Webコンテンツとしてクラウドで提供。プラントや工場で稼働するバルブの健全性を診断し、その結果を可視化することによって、生産設備の安定化や保安力強化に貢献する。
本州化学は「グローバ ル・ファインケミカル・スペシャリスト」の実現に向け、和歌山工場でセンシング技術とIoT、 ICT、AIやデジタル技術を活用したPDCAサイクル実施し、業務効率の向上、品質管理の徹底、メンテナンスの最適化に取り組んでいる。とくに、製品を安定的に生産するために必要不可欠な動力設備のコントロールバルブの状態を、セキュリティを確保した上でクラウドサービスを利用できるようにした。
同設備では、2019年8月からアズビルの調節弁メンテナンスサポートシステム「PLUG-IN Valstaff」を導入。同システムによりアズビルの藤沢テクノセンターから遠隔で収集したデータを、レポート形式で診断結果として提供するバルブ解析診断サービスの活用を開始している。これによりバルブの異常兆候を定期修理前に把握することで大きなトラブルを回避できると判断し、データに基づく定量的なメンテナンス業務の確立に向けてノウハウの蓄積を進めてきた。
今回の導入でスタッ フ自身が持つ「経験」に加えて、「データ」が示すバルブの異常兆候を捉えることによって、迅速に メンテナンスの要否に関する意思決定ができるため、バルブメンテナンス業務の効率改善が図れる ものと見ている。また、予防保全から予知保全への移行と工場全体の安定運転にも貢献できるとして導入にすることになった。