IDECは、小形かつ低消費電力の電池で駆動し、ポンプやコンプレッサ等に簡単に取り付けて長期間の簡易モニタリングに最適な本質安全防爆構造の無線振動センサ「ES3M形」を日本国内先行で発売した。
可燃性のガスなど危険物を扱う石油プラントや化学工場は、設備の老朽化とメンテナンスに対する人手不足等で火災事故発生のリスクが上昇し、それに対して設備や機器の異常診断に対するニーズが高まっている。しかしながら巡回点検には時間と工数がかかる上、防爆エリアに対応したIoTモニタリング機器は少なく、従来の振動センサを使ったシステムは高額であり、防爆エリア内の多くの箇所に展開するのは難しかった。
それに対して同製品は、本質安全防爆構造で、石油プラントや化学工場内の危険場所(ゾーン2)で使用し、1台のセンサで振動・温度を同時に測定が可能。送信部とセンサ部を一体化したコンパクト構造で、電源のいらない電池駆動、ワイヤレス機能も搭載。マグネットで簡単に取り付けできるので、機器や設備の正しい測定ポイントにピンポイントで設置し、防爆対応IoTモニタリングを実現。振動データである速度や加速度データなどを無線で簡単に収集でき、異常の早期発見と予知保全を可能にする。
検知の周波数レンジは10Hz~10kHzに対応し、高周波領域での変化も捉えることが可能。ワイヤレス機能は、障害物に強い920MHzを採用し、通信距離は200㍍。センサゲートウェイを設置すれば離れた場所から状態監視ができ、危険場所のデータを安全に収集できる。また電池は専用のもので、送信間隔6時間の利用であれば約5年間交換不要の長寿命となっている。
石油プラントや化学工場などに数多く設置されているモータ、コンプレッサ、ポンプ、ファン、ブロアなどの回転体に簡単に取り付け可能。詳細な測定・分析用途の振動センサとは異なり、多点に取り付けて長期間にわたって状態を監視し、異常を検知する簡易モニタリングに最適となっている。