富士電機は、PLC(プログラマブルコントローラ)、サーボシステム、プラグラマブル表示器を組み合わせて生産工程における製品加工の異常の検知・分析を行う「異常診断ソリューション」を発売した。
同ソリューションは、生産設備の動作制御を行うサーボシステム(サーボモータ)をセンサとして活用。異常診断は、設備の正常加工時の稼働データ(診断モデル)と稼働中のデータを突き合わせ、乖離を異常として検知する「アナリティクス・AI(MSPC)」で実施するもの。従来のセンサに比べ異常検知の精度が高く、センサレスによる設備のコスト低減にも貢献する。
また、診断モジュールに蓄積された診断結果は、プログラマブル表示器に表示し、履歴の中から確認したい結果(波形)を選択することで異常の原因究明を支援。
異常検知の一例として、食品などの自動包装工程では、封入口を接着し、商品が一つ一つになるように切断するが、接着・切断の動作制御にサーボシステムが使われており、接着する部分に食品くず等がかみ込んだ場合、正常加工時に比べてサーボモータにかかる負荷トルクなどが変化。MSPCがこうした変化(乖離)を見つけ、異常として検知できる。
従来、こうした場合には赤外線センサや圧力センサなどを用いることが一般的で、不良品流出の未然防止に向けて異常検知のさらなる精度向上が求められている。
同社では、PLCに製品加工の異常検知と原因分析を行う診断モジュールを組み込むことで、異常診断を可能にした。
主な用途は食品包装機、半導体製造装置、金属加工機など。