2021年度上期の主要FA機器メーカーの決算が出そろった。各社ともにFA関連事業は売上高・営業利益ともに前年を上回り、コロナ禍前に戻ってきた。半導体や樹脂部品をはじめ部品不足からくる一部製品の納期遅れが発生し懸念は残るが、各社が通期見通しを上方修正し好結果が期待できる。
三菱電機は産業メカトロニクスのうちFAシステムは好調。半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に、国内と中国、アジア向けで需要が拡大。コロナ禍前の状況まで持ち直してきている
オムロンの制御機器事業(IAB)も大幅な増収増益、中華圏はデジタル業界を中心に27%増、ヨーロッパは食品・医薬品業界を中心に回復需要を捉えて31%増。国内やアメリカも20%増と全エリアで好調。業界業種でも、EV、半導体、二次電池、包装機械などの高成長領域を捉えて39%増と大きく伸ばした。また高機能PLCとアプリケーションの採用も順調で、受注金額を押し上げている。
キーエンスは高成長を継続。FA業界全体でPLCなど一部製品の納期問題が深刻化しているなか、同社は通常通りの即納体制を維持できているとされ、さらに存在感を高めている。
富士電機も増収増益で、純利益は過去最高を更新。インダストリーは、オートメーションが対前年69%増となった低圧インバータや、FAコンポーネントが国内外で好調で20%増収。鉄道車両用電機品の大口案件等があった社会ソリューションも11%増収。設備講師も12%増収となった。ITソリューションは案件の延伸等で減収となった。
横河電機は、制御は受注がプラス239億円で10.1%増となったが、営業利益は粗利率の悪化や助成金の減少による反動等により減益。地域別では、中国は堅調で、ヨーロッパ、北米はコロナ禍からの回復基調へ。セグメント別では、エネルギー関係は受注が伸長、マテリアル関連はコロナ禍からの回復と半導体需要を受けて好調。ライフ関連は、水ビジネスと中国での医薬関連が堅調となっている。
アズビルのAA事業は半導体市場装置の需要が堅調で、海外では中国で5Gや半導体需要が伸びて事業成長もあって増収。通期でも設備投資の回復継続を見込み、当初計画を上方修正。顧客開拓や新製品投入を進めていく。
IDECは、国内外で設備投資需要の回復を受けて過去最高の増収増益。国内は半導体、自動車、工作機械、ロボット業界の需要が回復し、スイッチ事業を中心に想定以上の好調で推移。海外もAPAC、アメリカ、ヨーロッパで需要が回復し、前年同期比45%増と大幅に増加となった。
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