富士キメラ総研は、産業用ネットワークを構成する製品とサービス国内市場を調査し、結果をまとめた。産業用ネットワーク関連製品/サービスの国内市場は、2025年度には4341億円に達し、20年度比45.4%増。産業用ワイヤレス、モバイル、IoT関連製品や通信サービスがけん引すると見ている。
21年度は、新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革によるテレワークの浸透などで、スイッチや無線LAN関連機器の需要が増加。DXやIoT化に向けたネットワーク構築などで工場やプラントで遠隔監視や産業用ネットワークへのニーズが高まっており、前年度比10%増と予想。
カテゴリー別では、産業用スイッチ、ルーター製品は、産業用スイッチで生産現場やリモート業務、遠隔監視などへの投資が増加し、屋外利用や高温・低温下、ノイズや振動などの耐環境性が求められる用途が拡大。業務用や民生品が使われるケースも多いが、ネットワーク停止や遅延などのトラブルが多く、産業用の需要が増加している。
産業用ワイヤレス、モバイル、IoT関連製品は、IoTゲートウェイ/IoTルーターや産業用ワイヤレスへの投資が旺盛。
I/Oやコンバーター関連製品は、外部とデータや信号を入出力するリモート・ワイヤレスI/Oが、工場やプラントなどの設備を制御・運用するOTネットワーク関連機器のデータ収集を目的に導入が拡大。追加する動きも増えている。コンバーター関連製品は、汎用製品から産業用途に特化した耐環境性のある製品への置き換え、既存設備を生かしたイーサネット接続、工場間やプラント間のデータ連携接続などを目的とした利用が増加している。産業用セキュリティー製品は、制御システムへのサイバー攻撃による被害が増え、リスクが高まっていることを受けて拡大。
産業用ファイアウォールやホワイトリスト型の組み込み機器向けセキュリティー製品などの導入が進んでいる。また通信環境を可視化する需要で監視ツール市場が本格化している。通信サービスは、現場でのスマートデバイスの活用やIoT対応の産業機器の増加により伸長を予想。LPWAは認知度が向上し、ノンセルラーLPWAサービスを中心に伸びている。今後はIoT向けの5G通信サービスにおいて拡大すると見ている。