オムロンは、世界最速で電子基板を3D検査できるCT型X線自動検査装置「VT-X750-V3」を発売する。5GやEV、自動運転などのニーズ高まりに対し、電子基板の全数検査を通じて生産性と品質維持の両立を提供する。
近年は電子基板の需要が増大し、基板上への部品点数の増加、両面実装、部品のICチップへの集約化等が進み、従来の2D外観検査では正確な検査が難しかった。一方、3D外観検査は時間がかかるため、一部の製品のみの抜き取り検査か、別に設けた専用の検査室で時間をかけての全数検査をせざるを得なかった。
それに対して同製品は、 現行モデルから検査速度を1.5倍に高速化し、複雑な基板でも全数検査が可能。内蔵した同社製の制御機器をシームレスに制御することで連続撮像を可能とし、従来比2倍の感度を持つカメラによりクリアな3D画像の高速撮像を実現。またAIで検査の撮影条件設定を自動化し、基板検査プログラムの作成時間も大幅に短縮している。
加えてワークに対する被ばく量のシミュレーションもでき、基板の表裏、位置などによる被ばく量を事前に確認することで、被ばくによる故障リスクを低減できるようになっている。
EV等で需要が増大し、材料がSiからSiCやGaNへと変化しているIGBTやMOSFETなどのパワー半導体に最適化した検査ロジックを追加したほか、アセンブリ工程でのスルーホールコネクタのはんだ充填検査や、近年採用が増加しているSiP/PoPパッケージやプレスフィットコネクタなどの検査でも採用されている。