河村電器産業(愛知県瀬戸市、水野一隆取締役社長)は、電気自動車(EV)への充電量をリアルタイムにコントロールできるスマートEVチャージシステム「wayEV(ウェイブ)」を発売した。
脱炭素社会に向けて、2035年までに新車販売で電動車100%の実現が求められている。それに伴い、EVやプラグインハイブリッド自動車(PHV)などの市場が拡大しているが、充電設備の設置が十分とは言えない。充電設備の設置には受電設備の増設などが必要で、コスト面で大きな負担がかかり、設備導入が停滞している。
今回のシステムでは、高圧受電設備の余力に応じて給電量を制御することで、より多くの充電設備を低コストで効率的に導入できる。
このシステムは、JAXAの「はやぶさ」の独立分散制御ロジックと河村電器産業独自のテクノロジーを融合した特許技術によって完成した。
限られた電力を多くの車両で分け合う仕組みで、先に接続した車両への充電が設定量に達した場合、自動的にまだ設定量に達していない車両に電力が配分される。
さらに、電力総量を抑制するデマンド制御と、昼間・夜間の時間帯別制御によって運用コストを大幅に削減可能。
低コストで導入できることから、スーパーやコンビニなど身近な施設へのEV充電設備の設置に結びつき、自動車業界のカーボンニュートラルに貢献する。2023年3月までに515台の販売を見込む。