半導体もそうだが、制御機器も品不足が続き納期問題が深刻化している。いま注文しても届くのは数カ月後なんてものもあると聞いている。メーカーも対応を進めているが、2021年度下期もこの状態は当分は続きそうだ
一方で在庫を豊富に持っている企業もある。普段から多めに作り、あえて在庫を抱えておく。平時は在庫が積み上がって苦労するが、こういう非常時や混沌とした時には強さが発揮できる。他社が製品を出せない、お客を待たせている時、スッとすぐに差し出す。ちょっと価格が高めでも、お客は背に腹は代えられないから買う。QCDのDを最重要価値とし、生産体制も営業もそれをベースに組み立て、企業として尖らせる。王道ではないかもしれないが、それもひとつの生き残り戦略だ
日本のほとんどの製造業は、ジャストインタイム生産を最良とし、在庫は悪、ムダは敵と考えてきた。しかし、果たして本当にこれが唯一の正解なのだろうか?私たちは盲目的にそれ信じていないだろうか?山の頂上は一つでも、そこへの登山道はいくらでもある。ジャストインタイムは舗装された王道の登山道だ。そこを歩けば頂上への近道になるのは間違いない。しかし全員にとって、それが最適な道であるとは限らない。
この大変革で混沌としている時代、自分で藪を切り拓き、けもの道を登っても良いのだ。もしかしたら自分なりのルートを見つけ、いち早く頂上にたどり着けるかもしれない。皆と同じことをやっても序列を変えるのは難しい。伸びるため、成長するため、競争相手を追い抜くためにはリスクを負って人とは違う道を行くしかない。価値観が変わり、旧来からの安定が揺らぐなか、その一歩を踏み出せるか。それが勝負の分かれ道となる。