世界中に暗い影を落としたコロナ禍だが、いざ光が差して開けてくると、以前とは異なる風景が広がり始めている。世界の自動化やデジタル化の需要が爆発し、FA・制御業界はメーカー、商社ともに業績好調。機器生産は一部滞っているものもあるが、受注も出荷も順調で、好景気だった2017年・18年を彷彿とさせる勢いを見せている。
JEMA「産業用汎用電気機器出荷実績」自動化の波が追い風
日本電機工業会(JEMA)の2021年度上期(4-9月)の産業用汎用電気機器の出荷実績によると、出荷額合計は4408億円。前年同期比21.8%増となり、2半期連続のプラス。上期実績としては、2010年度以降で2017年度に次ぐ過去二番目の好実績となった。半導体製造装置の需要急増や工作機械の回復、ロボット需要など世界的な自動化需要が追い風になったと見られる。
製品別では、PLCやリレーなど配電・制御機器全体が14.4%増の1777億9200万円。
PLCは19.4%増の713億9700万円で、国内が391億5100万円(20.7%増)、輸出が322億4700万円(18.0%増)となり国内外ともに順調。低圧遮断機は446億9200万円(11.6%増)。国内が362億3100万円(8.2%増)、輸出が84億6200万円(28.6%増)で輸出が好調だった。
このほか2000kVA以下の標準変圧器は393億4500万円(10.7%増)、電磁開閉器が134億3900万円(24.5%増)となり、前年を上回った。一方、UPS(66億9800万円、2.4%減)、コンデンサ(22億2100万円、8.3%減)は前年割れとなった。
モータ、インバータ等の回転・駆動機器全体は34.0%増の1712億300万円と大幅増。
サーボアンプを含むサーボモータは49.2%増の1053億3600万円で、前年の1.5倍に拡大。うち国内出荷が40.7%増、輸出が61.0%増だった。汎用インバータは352億6600万円(16.4%増)で、国内出荷が8.7%増、輸出が28.8%増となった。75kW以下の三相誘導電動機は306億円(13.8%増)だった。
そのほか電動機応用機器は766億7200万円(18.8%増)、可搬型発電機は150億9300万円(7.1%増)となった。