2021年のFA・制御機器は良い状態で推移しているが、その需要のもととなっているのは各種産業機械の好調さによるものが大きい。特に半導体製造装置は非常に好調で、その恩恵を受けて業績を伸ばしたメーカーも多い。主要機械産業の21年9月までの市場の動きを分析する。
今、最も注目を集めている半導体製造装置。世界的な半導体不足とその解消のための半導体メーカーによるファブの建設や設備投資も旺盛で、いまだに世界でも3割近くの高いシェアを持つ日本製半導体製造装置はフル回転の生産に追われている。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、21年1月から9月までの累計販売額は2兆2198億9800万円で、前年比30.1%増。1カ月平均で2500億円近いペースで来ており、同時期に過去最高だった18年を大きく上回り、非常に順調に推移している。SEAJでは21年度(21年4月~22年3月)の需要予測では3兆2631億円と見込んでいる。
20年は世界の自動車工場が稼働を停止し、そのあおりを大きく受けて厳しい年となった工作機械。21年は中国市場の持ち直し等で一転して回復基調にある。
日本工作機械工業会の統計による21年1-9月の累計受注額は、1兆1075億6900万円で、75.3%増。昨年は1カ月平均が約750億円に沈んでいたところ、21年は1230億円まで持ち直している。このままの調子を維持すると1兆5000億円超になるとみられ、最高潮だった18年の1兆8157億円には及ばないが、過去3番目か4番目程度に着地しそうだ。
年々需要が拡大しているロボット。半導体製造装置と同様、大型・小型ロボットともに日本メーカーが大きなシェアを握っており、人手不足と世界的な自動化需要を背景に、産業用ロボット、協働ロボット、AMR・モバイルロボット、サービスロボットと着々と市場が広がっている。
日本ロボット工業会の統計によると、21年のロボット市場は受注額・生産額・出荷額のいずれも過去最高だった18年を上回るペースで推移。1-9月累計の受注額は7095億2800万円で、40.9%増。1カ月平均で788億円と好調に推移しており、21年合計でも当初予測の8840億円をクリアしそうだ。
このほかの産業機械関連では、日本産業機械工業会の統計によると化学機械の21年1-9月の受注金額は1兆1905億円で、92.9%増の大幅増。プラスチック加工機械は2559億7200万円で、105.4%増。ここ5年間で最高の実績となっている。金属加工機械は852億4300万円で、28.2%増。運搬機械は852億4300万円で、28.2%増となっている。