電子部品商社の三誠(東京都文京区)は、2021年6月に足立哲雄社長が会長に就き、三村光隆副社長が代表取締役社長に就任した。三村社長は「高付加価値製品の販売構築に向けて、特にコネクタハーネスに重点をおいて取り組んでいきたい」と就任の抱負を語った。
第2物流センターも建設
同社は1960年設立で、今年61年目を迎えた。国内15カ所、海外3カ所に営業拠点を構えている。本年度は、「Reborn~新たな価値の創出」の方針のもと、顧客満足度の向上、戦略在庫の拡充、高付加価値製品の販売構築を重点に取り組んでいる。
顧客満足度の向上では、QCDに2S(スピード・サービス)をプラスした基本姿勢で対応しているが、昨今の市場を取り巻く環境は受注が大幅に先行し、納期通りの販売がしづらくなっている。「戦略在庫の拡充で、過去の受注実績を目安に売れる製品の在庫を厚くして、顧客満足度を少しでも高められるように取り組んでいきたいと考えている」(三村社長)。
その中で、他社との差別化戦略として効果を上げつつあるのがコネクタハーネスの取り組み。今年4月から「ハーネス事業部」を設け、コネクタの販売だけでなく、ハーネス加工も積極的に営業を行っている。コネクタと配線の接続、さらには基板とのアッセンブリー化は、部品の価格に作業工賃が加わることで付加価値が付き、他社との差別化と粗利の向上につながる。
三村社長は「激しい販売競争の中で、ハーネスも社内で行うことで、お客さまや取り扱いメーカーとつながりが強まる。現在、受注が異常に先行しているが、戦略的な在庫管理とハーネス加工による付加価値向上をさらに強化する。その一環として、22年2月に第2物流センターが完成する予定である」と語っている。