グローバルインフォメーションが取り扱う世界の調査会社のレポートによると、倉庫自動化(ウェアハウスオートメーション)の世界市場は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるEC需要の拡大、サプライチェーンの再構築とそれにともなう倉庫建設数の増加、人手不足などを背景に、今後数年間は2桁以上の高成長率で拡大し、特にモバイルロボット等の新技術がその原動力となると予測している。
「世界の倉庫オートメーション市場2021ー2027」(Bizwit Research&Consulting)によると、倉庫自動化はビジネス全体のコストを下げ、製品の配送問題を減少させるという点で多くの利便性をもたらすことが分かっているが、導入が進んでいるといっても実際に完全に自動化されている倉庫はわずか5%で、今後数年間はチャンスと指摘。特に産業用IoTの導入拡大、都市化の拡大、電子商取引の売上増加などで今後数年間は成長と予測している。
その成長率は、「ウェアハウスオートメーションの世界市場2021ー2026年」(Mordor Intelligence)では、約12.5%のCAGRで成長すると予想。これまでも倉庫向けロボットや自動化システムは大規模に導入されてきたが、COVID-19の流行により、導入はさらに加速。倉庫数の増加と倉庫自動化への投資の増加に加え、世界的な人件費の高騰と拡張性のある技術的ソリューションの利用可能性がそれを後押ししているとしている。
また、「ウェアハウスオートメーション-2021年9月」(Interact Analysis)では、倉庫自動化市場は、2020年の290億ドルから2025年には約700億ドルまで増加し、CAGR18%の成長と予測。COVID-19によって効率的で柔軟なサプライチェーンの必要性が高まり、倉庫自動化技術はその中心的な役割を果たしている。コンベアやAS/RSなどの固定オートメーション設備のソリューションは緩やかな二桁成長だが、モバイルロボットは市場の驚異的な成長を支える原動力になると予想。旧来の技術から柔軟な自動化ソリューションへの大規模な移行も晋としている。
さらに、「ウェアハウスオートメーション-ロボット・技術・ソリューション市場:2021年~2030年」(M14 Intelligence Research)では、倉庫自動化市場は2019年に前年比10.9%増、150億ドルと推定し、2020年は一転して6%の減少となったが、2021年には約38.4%増と急拡大し、195億ドルに達すると予測している。