誰でもが何万回でも、繰り返し行えるようにすることを標準化という。
標準化を、作業手順やマニュアルを作ることと考えている工場を時々見かけます。
しかし真の標準化とは、「誰もが何万回でも繰り返すことができる」というやり方を決めることがその本質です。当然のことですが、安全にも配慮が行き届き、品質もきっちりと維持できなければ意味は全くありません。
ですから、本当に標準化がされていたら、何よりその作業をしている人は楽で、その作業をしている限り良品以外を作ることができない状態になっています。経営者も工場長も、安心して見ていることができ、すべてを任せることができるようになります。
標準化の作成を作業者だけに任せている工場を時々見かけますが、それはよくありません。工程順番も作業手順も、そして使用する工具や設備その他もその仕事にかかわるすべての人が参画し共に考えチエを出して作るのがいいのです。設計も技術も管理も、場合によっては営業もかかわる必要があるかもしれません。そうしないと単なる作業マニュアルになってしまいます。
正しい方法で標準化された仕事は、一度確立されるとその効果は絶大です。
あらためて現在の仕事がこのような形で標準化されているかどうかを確認してください。
■著者プロフィール
【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。
一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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https://www.kaizenproject.jp/