新年、あけましておめでとうございます。
経済産業省をはじめ、関係省庁、関連団体、会員の皆様には、日頃より当工業会の活動に多大なるご支援、ご尽力を頂き、心より御礼申し上げます。
2022年の年頭に当たり、謹んで所感を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が、世界的に流行し始めてから約2年が経過しました。この感染症は、世界経済に甚大な影響を与えると同時に、人々の暮らしや働き方等、社会全体に大きな変化をもたらしました。今後、感染症の収束に少しでも近づくよう期待したいところであります。
さて、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2050年のカーボンニュートラル実現を見据えた2030年に向けた政策対応が示されています。温室効果ガス排出量を2030年までに2013年度比46%削減し、2050年までに排出を全体として実質ゼロとする目標です。
カーボンニュートラル実現には、電力・エネルギーの脱炭素化や電化、電動化、徹底した省エネ化の推進が必要となります。
JEMAは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、エネルギー供給面と需要面の両面から技術イノベーションでの貢献を目指して参ります。
エネルギー供給面では、再生可能エネルギーの主力電源化とそれに伴う電力供給の安定化、一方、需要面では、更なる省エネ・高効率、AIやIoT等デジタル技術による機器・設備の高度化が肝要であると考えます。
また、カーボンニュートラル達成には、既存技術に加えて様々な技術開発の促進が重要となってきます。
例えば、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた『次世代型太陽光発電』や『洋上風力発電』、再生可能エネルギーを効率的に送る『直流送電』や電力貯蔵のための『蓄電池』、『二酸化炭素回収・貯留技術』、『水素・アンモニアへの燃料転換』といった様々な技術開発項目であります。更に原子力分野では、原子力の再稼働が重要である一方、『小型モジュール炉』も次世代電源として期待されています。
2050年という目標が明確になった今、社会実装に向けて、これら技術イノベーションを更に推進すると同時に、わが国産業の国際競争力の観点から、電力料金・エネルギーコストも今後考えていく必要があります。2050年に向けた最適な電源構成や技術イノベーション、社会実装への課題や電力料金・エネルギーコスト等の付随する諸課題について、関係官庁、関係団体、会員企業と議論し、総合的に検討を進めていくには、ロードマップの共有が必要であり、わが国全体で考えていかなければなりません。
そこで、JEMAでは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、ロードマップの検討を開始しました。今後、中長期的な視点で、電力・エネルギーの脱炭素化、電化、電動化、徹底した省エネ化等に向けた提言や技術イノベーションの促進を推し進めるとともに、グリーン社会実現に向けた課題提起等を積極的に議論して参ります。
一方、昨今、企業が、環境価値を訴求し、企業競争力を高めていくため、環境価値の評価を整備することが、重要になってきております。
JEMAでは、昨年、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、電機産業が果たす役割と貢献のあり方を環境価値として整理しました。具体的には、環境価値により、カーボンニュートラル実現に貢献する製品・技術を「JEMAグリーン技術・製品」と定義し、我々が提供する具体的なソリューションをJEMAグリーン技術・製品マップとしてとりまとめ、発表しました。
今後、電機産業が考える環境価値を社会に提起し、2050年カーボンニュートラル実現に貢献するグリーン技術・製品の市場拡大を推進し、会員企業の価値向上に向けた活動を展開して参ります。
更に会員企業における環境面の企業努力等を対象とした新たな表彰制度の構築にも取り組んで参ります。
今月は、オートメーションと計測の最先端技術を紹介する展示会、IIFES(アイアイフェス)が、開催されます。オリンピック・パラリンピックの会期変更の影響により、当初の計画から会期が変更となりましたが、リアル展は、1月26日から28日まで東京ビックサイトで開催、オンライン展は1月26日から2月25日まで開催予定です。
JEMAは、今後も電機業界並びに会員企業さまへの事業貢献に向けた活動に対し、一層力強く取り組んで参る所存です。
最後になりますが、この一年の皆さま方のご発展と、更なるご活躍を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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