【FA製造業界2022】 夢と生きがいある業界に 日本電設工業協会 山口会長[年頭所感]

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年10月に後藤前会長の後任として一般社団法人日本電設工業協会の会長に就任いたしました山口でございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。皆様には当協会の活動に対し日頃から多大なご支援を賜り、この場を借りまして心から御礼申し上げます。

昨年も前年に引き続き、社会活動全般にわたり、新型コロナウイルス感染症への対応に追われた一年ではありましたが、「Withコロナ」の発想で影響を最小限に食い止める努力をしつつ、諸活動を正常に戻していく方向に転じた1年であったかと思います。開催が1年延期となりましたオリンピック・パラリンピックも政府、東京都を始めとする関係者や参加者の皆様のご努力により無事終了することができましたし、年末に向けて、わが国の感染者数も大幅に減少するなどワクチン接種の推進はじめ諸対策の効果も現れてきたのではないかと思わせる昨今です。

その一方、「コロナ禍」は、仕事の現場を大きく変えるきっかけとなりました。当協会の行事に関しては、残念ながら、昨年もJECA展は中止となり、会員が一堂に会する行事もその多くを中止とせざるを得ませんでしたが、日々の業務に関しては、在宅勤務やWEBを利用した会議が日常となり、また、様々な事務処理やシステムの合理化が進み、必ずしもマイナスの面だけではなく、この「禍」をプラスに転じる兆しも見えてきたように思います。

このような社会の転換期に臨み、当協会では、「臨時総会決議」の形で「夢と生きがいのある電設業界を目指して」、これからの1年間の活動の指針を4項目にまとめました。

1.働き方改革の実現〈労働基準法の特例廃止(令和6年)まであとわずか〉
 魅力ある働きの場として、長時間労働の是正や週休二日の実現は、今や確保しなければならない最低限の条件です。2年後の令和6年の4月からは、建設業に特例的に認められていた労働時間規制の緩和が廃止され、その違反は罰則を伴うものとなります。この課題に関しては、業界全体として真剣に取り組み、各企業の努力を促していかなければなりません。また、このことを実現するためには、一昨年、国の中央建設業審議会から勧告がありました「工期の基準」に基づく適正な工期の推進・定着を進めていくことも必要です。

2.担い手の確保・育成と処遇改善わが国で少子化が進む中、業界を担う人材の確保が急務ですが、その上では、新規就労者にとって魅力ある働きの場であることをアピールすることが大変重要です。このため、就職支援サイトやデジタルメディア等も効果的に活用し、「心に響く」人材確保方策を展開していきます。また、インターンシップや講習制度のさらなる充実を図り、当業界への勧誘や人材育成を推進します。さらには、特定技能制度による外国人人材確保のための体制整備を進めていきます。

3.新時代へ向けてのイノベーションの推進全産業界をあげて取り組んでいるカーボンニュートラルに向けて、電設技術の立場からの貢献策を提示するとともに、業務実施に関しては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入などによりさらに生産性の向上に努めていきます。


4.様々なリスクへの的確な対応

引続き新型コロナウイルス感染症への予防・対応策を徹底するとともに、近年の甚大な自然災害にも対処しうる電気設備のレジリエンス向上策を提案していきます。

今年の干支は、壬寅(みずのえ・とら)、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力にあふれ、暖かい春が来ると云われています。皆様とともに明るく活力のある年にして参りたいと思います。

結びに、皆様のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

https://www.jeca.or.jp/


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