【FA製造業界2022トップインタビュー】堅調拡大の電源切替装置 WashiON共立継器 宮川 昭二 取締役会長

2021年9月期の売上高は過去最高となる40億円を初めて突破し、前年度比約6%アップすることができた。

デジタル化社会の進展で、ネットワークやビッグデータの重要性が高まる中で、データセンターの設置が増えている。当社のデータセンター向けの高速電源切替装置は、こうした状況を背景に引き合いが増え、売り上げに大きく貢献した。

今後も新規やリニューアル案件が継続して出てくると思われ、売り上げ増に期待しているが、部品不足で生産が計画通り進まないのが悩みである。さらに最近は、5G通信に関連した通信基地局向けに小形コンタクタの注文も増えてきており、さらに生産が忙しくなっている。また、ソーラー発電などを家庭で自家消費用に蓄電池に電気を貯めるための小型電源切替器の販売も継続して堅調だ。

一方、鉄道関連は鉄道会社の車両生産計画により継続した受注があり、安定した状況で推移している。昨年、千曲工場(長野県)の一棟の2階部分を増築し、将来の生産増加にも対応できるようにした。

今年の景気見通しは良い状況が続くものとみており、22年9月期の売上高は45億円を目指している。現在売り上げが大きく伸びている高速電源切替装置をはじめ、通信基地局向けの小形コンタクタも今後、伸長が見込めるものと期待している。

景気の回復とともに人手も不足気味になってきていることに加え、部品不足と素材価格の高騰も心配である。使用する部品の納期が未定という回答も多く、完成品ができないため売り上げが計上できないという、ジレンマも生じつつある。素材価格も、鋼材、樹脂材などをはじめ、ほとんどの使用材料が上昇している。当社の製品は素材の使用量が比較的多いだけに、たちまちコストアップの要因になる。部品の確保とコスト対策をしながら計画を達成したい。

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