少数精鋭は少数から。上から人を抜くと精鋭化する
「少数精鋭化」という言葉は現場でよく聞かれる言葉の一つであると思います。とても重要なことであり、会社に少数精鋭のチームがいくつもあったら、これからのポストコロナあるいはウィズコロナの時代にとても心強いですね。ではどうしたらそういうチームを作ることができるか……が今回のテーマです。
少数精鋭は少数にすることから始めるのがうまくいく秘訣だと思います。精鋭化してから少数にするのではなく、少数にすることから始めます。ただし優秀な人から順に抜いて少数化することがポイントです。
なぜかというと、人は何人か集まるとお互いに無い部分を補うようになる特性があるからです。10人いるチームでナンバーワンを抜かれたチームは、それまでのナンバー2が次のリーダーに育ちます。逆に最もできない人を抜いてしまうと、それまで少しマシだった人がだるま落としのようにずり落ち始めます。どちらの方法でも9人の少数のチームになるのですが、後者の方法だと全体のレベルが下がってしまいます。
精鋭化には勇気をもって優秀な人から抜くことです。そして抜いた人にはよりチャレンジングな仕事を与えます。そうすることで「次は自分が」と残った人のヤル気も増すでしょう。ダメな人を外すことや精鋭化から始めようとする会社を見たことがありますが、うまくいっていませんでした。人の特性やモチベーションを知らなければ「烏合の衆(うごうのしゅう)」になってしまうのです。
■著者プロフィール
【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。
一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
■詳細・入会はこちら
https://www.kaizenproject.jp/