1月26日から3日間、東京ビッグサイトで2年に一度の計測・制御技術、さらにはスマートファクトリー構築や製造業DXに向けた要素技術の専門展示会「IIFES2022」が開幕した。今回はリアル展に加え、オンライン展(〜2月25日まで)も同時に行われている。コロナ禍が続く中での厳しい状況下での実施だが、より高度な自動化に向けた各社の取り組みに期待だ。
MONODZUKURIという「底力」を未来へ
「IoT」や「つながる」といった現在の製造業DXやスマートファクトリーの根幹をなす技術が、新たな時代を切り拓く新しいものづくりコンセプトであると大々的に登場したのが、15年の開催時。ちょうど第4次産業革命やインダストリー4.0に注目を集めていた時期で、機器や装置同士がつながって情報をやりとりすることでよりハイレベルな制御を実現できるとして、とにかく「接続をすること」や「横のつながり」を意識した製品や技術が多く出展された。
17年にはIoTが進化し、信号や情報のやりとりはフィールド層、エッジ層、上位システム層、基幹システムと複数のレイヤーにまたがって行うことが重要であり、縦横のつながりとエッジ層に注目が集まった。ITだけではスマートファクトリーは実現できず、現場の技術が重要だとして「OTとITの融合」が叫ばれたのはこの時期だ。
19年の前回はコロナ禍がはじまる直前の開催で、「日本のMONODZUKURIが世界を加速」のコンセプトを掲げ、つなぐ・つなげるは既に当たり前の技術であり、ここではAIを使って制御に知能を付与し、より高度な制御と自律化を実現しようというハイレベルな技術が紹介された。
そして22年の今回は、これまでの蓄積で第4次産業革命、インダストリー4.0、IoT、スマートファクトリー等の要素技術と実現に向けた手法がある程度出そろい、そこに5GやAI、統合制御やソフトモーションといった新たな技術トレンドが加わっている。より具体的で実践的なアプリケーションに即した製品・技術と、新しいものづくりに必要な最新技術を見ることができる。
また、製造業を取り巻く環境は、DXを筆頭に、コロナ禍でリモートワークや新しい働き方を積極的に採用していこうという雰囲気になっている。さらに、製造業メーカーに対しては、脱炭素やSDGsに対する貢献も求められるようになっており、単なるQCD向上だけでなく、取り巻く社会課題を解決するためのヒントも転がっている。
リアル展での会場展示・セミナーに加え、オンライン展でも数多くのセッション・セミナーも開催されている。新時代の計測・制御技術をぜひ体験してみてほしい。