日本ロボット工業会(JARA)は、2021年の年間のロボット統計【会員ベース】(受注・生産・出荷実績)をまとめた。受注額は前年比29.6%増、生産額も26.4%増となり、受注、生産、輸出実績で過去最高を記録。非会員も含めた年間実績は、受注額が27.7%増の1兆970億円で初の1兆円超えを見込んでいる。
2021年全体として、コロナ禍の収束は見られないなか、堅調な中国向けが引き続き輸出市場をけん引し、欧米や国内向けの回復がみられたことで全体として大幅なプラス成長となった。これにより会員ベースの受注額は29.6%増の9405億3300万円、受注台数は41.8%増の27万1294台。生産額は26.4%増の8326億400万円、生産台数は33.1%増の23万6522台となった。
国内・輸出は、国内の出荷金額は10.4%増の1855億7000万円、出荷台数は17.4%増の4万319台となり、コロナ禍前を下回った。それに対して輸出は、33.7%増の6547億500万円、36.7%増の19万7766台となり、コロナ禍前から大幅伸長している。仕向地別では、アジア向けが4419億4000万円で、このうち中国が3245億5500万円と絶好調。中国は18年比で1000億円近く上積みしている。北米は1203億6300万円、欧州も797億100万円となった。
用途別の出荷金額・台数では、溶接用が28.7%増の1158億6200万円、41.8%増の4万6252台。組立用が21.0%増の574億400万円、23.9%増の4万1534台。半導体などクリーンルーム用が28.8%増の578億9700万円、36.8%増の2万1555台。いずれも前年を上回ったが、ロード・アンロード、切断、研磨バリ取りなど機械加工向けは16.4%減の167億3700万円、6.0%減の8859台の前年から減少にとどまった。
21年10~12月期も成長を持続
21年10~12月期は、受注額は6四半期連続の増加となる2310億円(3.9%増)、受注台数は5四半期連続の増加となる6万8423台(14.1%増)。生産額も5四半期連続増加の2110億円(21.5%増)、生産台数も5四半期連続の増加となる6万1405台(26.2%増)となり、それぞれ前年同期を上回った。国内向け出荷は、半導体用や実装用などが好調な電気機械製造業向けを中心に増加。輸出は、アジアの一部向けで前年同期から減少がみられたが、中国向けが需要をけん引し、欧米向けでも勢いがみられた。