フォトロンは、生産技術部門の利用に最適化した3D CADソフトウエア『SQ CAD』を発売した。生産技術部門が製造技術部門へ情報伝達をする際、3Dデータを使って行うことに適した仕様となっている。
製造業における3Dデータ活用は、上流工程の製品設計部門では標準的に3D CADを使って設計し、3Dデータが流通・活用されているが、下流工程の生産技術部門では主に2D CADが多く使われている。同社ではその理由を、生産技術部門でのCADの使用目的は、製造担当者への作業内容の説明や治具設計を外注する際の説明といった情報伝達に重きが置かれ、そのためのコンテンツ作成にCADを使っていると認識。従来の3D CADではそうした利用では時間がかかって非効率であり、3Dデータのコンテンツ作成にCGモデラを使うと設計データが流用できなかったり、正確に変換されなかったりで、余計な工数と時間がかかってしまっていると指摘した。
それに対し同製品は、デジタル製造支援ソリューションツールとして、生産技術部門が情報伝達に必要なモデルをいかに簡単に作成するかを追求した3D CADとして開発。データトランスレータ「3D InterOP」を標準搭載し、CATIA、NX、Creo、SOLIDWORKS、Inventorなどの主要3D CADの30種類以上のネイティブデータに対応。製品データを元にした治具設計や、装置メーカーから受け取った3Dデータでレイアウト検討といった、3Dデータの活用のベースを構築できる。
また操作履歴や寸法拘束など設計業務で使われている3D CAD特有の機能を取り除き、情報伝達のためのモデリングに最適化したダイレクトモデリングとなっている。既存の2D CADデータから3Dモデルを作成したり、外部から入手した3Dデータも自由に編集でき、スピードモデリングを可能にしている。
WEBからダウンロードした3Dデータに含まれている材料や強度等の属性情報の取り込みから編集も可能。よく使う部品をお気に入り登録してライブラリを作成し、直接呼び出しも可能となっている。また一部の機械部品はポータルサイト「図脳クラブ」で無償配布を予定している。
装置や治具のモデリングの際に干渉の有無を表示できる動的干渉表示や、金型作成時に必要な抜き勾配のチェック機能も備えている。
同製品発売にともない、3D PDF生成ソフトウエア「3DPDF ReportGen」とセット導入することで30%割引となる記念キャンペーンも6月末まで実施している。